排便時、尿も一緒に出るのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は排便と排尿に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

排便時、尿も一緒に出るのはなぜ?

 

直腸における排便機能を調節する神経と、膀胱の排尿機能を調節する神経とは、互いに連絡があるためです。

 

〈目次〉

 

排便・排尿の調節機能は

排便および排尿を調節する機能は、いずれも交感神経ならびに副交感神経の刺激によって支配されています。外肛門括約筋および外尿道括約筋は、ともに仙髄から出る陰部神経の支配を受け、外肛門括約筋の緊張、弛緩を随意的に調節することができ、外尿道括約筋の随意的収縮を行なうことができます。

 

すなわち排便時に、外肛門括約筋の随意的弛緩が起こると、同時に外尿道括約筋の収縮が起こり、排尿作用を生じさせます。

 

脊髄内の中枢が損傷を受けると

排便および排尿を調節する中枢は、このように脊髄内にあるもの以外に、上位中枢にもあります。脊髄内の中枢が損傷を受けると排便については麻痺性糞便失禁がまず起こりますが、数日後には直腸壁にある壁在神経の働きによって排便反射を起こすことが可能となります。

 

また排尿については、尿閉麻痺性尿失禁から間歇性尿失禁へと移行します。すなわち、脊髄内の中枢が損傷を受けても排尿・排便ともに不完全ながら反射性に行なうことができ、永久性の失禁にはなりません。

 

このように仙髄から出る陰部神経は、排便および排尿時の意識的な筋肉の働きを支配しています。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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