胸腔ドレーン|からだずかん【26】

『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(KADOKAWA)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は2章『呼吸器系』より、「胸腔ドレーン」について解説します。

 

著:角野ふち
 

 

胸腔ドレーン

正常では、胸膜腔(きょうまくくう)内は陰圧(いんあつ)で少量の胸水(きょうすい)で満たされています。

何らかの原因で、このすきまに空気や滲出液(しんしゅつえき)、血液などがたまってしまうと正常に呼吸運動ができなくなります。

 

このたまってしまった余分な液体や空気を排出するために使うチューブが“胸腔(きょうくう)ドレーン”です。

 

胸腔ドレナージの概要と手順を説明するイラスト図解。上部には「胸膜腔(壁側胸膜と臓側胸膜の間)」の構造と、ドレナージが体内の余分な液体や空気を取り出す処置であることを説明するメモがあります。主な適応として気胸、大量の胸水、血胸、膿胸、術後排液などが挙げられています。挿入部位は「病側の第4〜5肋間、中腋窩線の前側(乳頭の高さを目安)」とし、気胸なら前寄り、血胸なら中寄りといった詳細も記載。下部にはトロッカー、ドレーン、チェスト・ドレーン・バッグなどの必要物品がイラストで紹介されています。

 

胸腔ドレーンのしくみ

胸膜腔内は常に陰圧なので、胸膜腔に穴をあけると空気が流れ込んで肺がしぼんでしまいます(気胸(ききょう))。

そこで、水でフタ(水封(すいふう))をすることで空気が胸膜腔内に入ることを防止しています。

 

胸腔ドレーンバッグの仕組みと3層ボトルの構造を説明する図解。上部には「(1)排液(排出する)」「(2)水封(フタする)」「(3)吸引圧調整(陰圧をかける)」の3つの役割が示され、胸腔内から一方向に液体が流れる仕組みが描かれています。下部には、これらを一体化した「チェスト・ドレーン・バッグ」の具体的な構造が示され、(1)体内の液体がたまる排液ボトル、(2)空気の逆流を防ぐ水封室(ウォーターシール)、(3)外部から吸引圧をかける吸引圧調整ボトルの各機能と、固定水の注入、検体採取ポート、吸引器への接続方法が詳しく解説されています。

 

 

[出典] 『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』 (著者)角野ふち (監修)嵯峨 堅、能間 国光/2024年5月刊行/株式会社KADOKAWA

 

著者プロフィール
角野ふちプロフィール

角野ふちXInstagram

看護師、保健師、イラストレーター。

 

人のからだをかわいくポップなイラストで解説するコンテンツ『からだずかん』を、SNSやWebサイトで発信。

イラストを手がけた書籍に『薬メモ!』(大田和季著・じほう)、『みんなの救命救急科』(三谷雄己著・中外医学社)など。

日本メディカルイラストレーション学会会員。

 

webサイト: からだずかん
ショップ: ぞーきーず

 

 

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