国際化と看護（24問）　グローバル社会における看護

第103回改変午前79問

外国人の女性が38.5℃の発熱のある生後3か月の男児を連れて小児科診療所を受診した。男児は上気道炎であった。女性は日本語が十分に話せず、持参した母子健康手帳から、男児はこの女性と日本人男性との間に生まれた子どもであることが分かった。夫は同居していない様子である。外来看護師は女性に、4か月児健康診査のことを知っているか尋ねたが、女性は看護師の質問を理解できない様子であった。

男児が4か月児健康診査を受診するために必要な社会資源で優先度が高いのはどれか。

1.　近所の病院
2.　通訳のボランティア
3.　児童相談所の児童福祉司
4.　地区担当の母子保健推進員

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解答・解説

1.　近所の病院: 近所の病院が必要な社会資源であるとはいえない。看護師の質問が理解できない状況では、近所の病院を紹介しても4か月児健康診査を受診し、指導を受けるのは困難と考えられる。
2.　通訳のボランティア: 4か月児健康診査は診察と異なるため、医療通訳でなくとも日常会話レベルの通訳で十分な可能性があるので、選択肢のなかでは最も適切である。
3.　児童相談所の児童福祉司: 児童福祉司は児童相談所などの任用資格である。家庭などの養育環境の調査や、専門的診断を踏まえた子どもや家族に対する援助決定などの相談などを担う。母親である女性については、言葉の問題があるという情報しかないため、児童福祉司に相談する判断には至らない。
4.　地区担当の母子保健推進員: 母子保健推進員は市町村長の委嘱によって各種健康診査の受診の勧奨や家庭訪問などを行う。看護師の質問が理解できない状況では、地区担当の母子保健推進員につないでも相談や指導がうまくいかないと考えられる。