血液・免疫系（69問）　状況設定問題

第98回午前100問

次の文を読み問題1に答えよ。
34歳の男性。独身。身長178cm、体重70kg。仕事で疲労が重なり、性器ヘルペスが発症したため受診し、本人の希望でHIV検査を行った結果、HIV抗体陽性であり、1週後にHIV血漿ウイルス量等の結果が出るので再受診するように説明された。性器ヘルペスには抗ウイルス薬が処方された。

問題1
1週後の受診で、性器ヘルペス症状は改善していた。しかし、ほとんど食事がとれず体重は3kg減少し、不眠のため全身倦怠感が強く、気力がわかず、仕事は休んでいた。日和見感染症の発症は認められなかった。

これらの症状から考えられるのはどれか。

1.　摂食障害
2.　うつ状態
3.　AIDS脳症
4.　ヘルペス性髄膜脳炎

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解答・解説

1.　摂食障害: 摂食障害とは、食行動を中心に問題が生じることである。単に食行動の異常ではなくて、体重や体型に非常に強いこだわりがあるなどが背景にある。設問には「ほとんど食事がとれず体重は3kg減少」とあるが、他にも「不眠のため全身倦怠感が強く、気力がわかず、仕事は休んでいた」とあることから摂食障害であるとは考えにくい。
2.　うつ状態: 設問には「ほとんど食事がとれず体重は3kg減少し、不眠のため全身倦怠感が強く、気力がわかず、仕事は休んでいた」とあることからうつ症状が出ていると考えられる。
3.　AIDS脳症: AIDS脳症（HIV脳症）では、認知機能に重篤な障害が起き、記憶力低下、注意力散漫、意欲の低下などが起こる。性格変容や行動異常、さらには運動障害が起こる。設問の状態からAIDS脳症の症状とは考えにくい。
4.　ヘルペス性髄膜脳炎: ヘルペス性髄膜脳炎はヘルペスウイルスが原因で起きる髄膜炎である。発熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛で始まり、その後項部硬直が起こる。設問の状態からヘルペス性髄膜脳炎の症状とは考えにくい。