状況設定問題（192問）　小児各期における健康増進のための看護

第114回午後105問

次の文を読み問題3に答えよ。
A君（12歳、男児）は、肥満を心配した保護者に連れられて来院した。A君と保護者は、医師から「1日の食事内容を毎日記録し、1週後に再診してください」と説明された。

既往歴と家族歴：特記すべきことはない。

生活歴：スナック菓子などの間食を好む。時間があればポータブル型のゲーム機でサッカーゲームばかりして、就寝時刻は毎晩午前0時を過ぎる。A君は、学校生活は楽しく思っているが朝起きられず遅刻して登校することが多い。また、運動することが嫌いなため運動の習慣はない。

身体所見：身長153.0cm（標準152.4cm）、体重61.7kg（標準44.1kg）。血圧100/60mmHg。心音と呼吸音に異常はない。腹部は平坦、軟で、肝臓と脾臓を触知しない。

問題3
A君の保護者は「この機会に、Aの生活リズムの乱れも改善したいと思います。どんなことから始めるのが良いですか」と看護師に尋ねた。

看護師の説明で適切なのはどれか。

1.　「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」
2.　「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」
3.　「サッカークラブに所属すると良いでしょう」
4.　「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」

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解答・解説

1.　「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」: ポータブル型のゲーム機で遊ぶのをいきなり禁止することは、子どもにとってストレスとなる。禁止ではなく、ゲームで遊ぶ時間を減らしていくなどゲームとのつきあいかたをいっしょに考え、生活リズムの改善につなげていくことが大切である。
2.　「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」: A君の就寝時間は毎晩午前0時を過ぎており、朝起きられず遅刻することが多いことから、睡眠習慣から生活リズムを改善していくことが大切である。起床して朝日を浴びることはセロトニンの分泌を促し、夜の自然な睡眠を促すメラトニンの生成につながるため、就寝時間の改善に役立つ。
3.　「サッカークラブに所属すると良いでしょう」: A君自身はサッカーゲームは好きだが、運動することが嫌いである。サッカークラブに所属して運動することは肥満の改善には効果的だが、勧めるにあたってはA君の意思を確認していくとよい。確認せずに勧めるのは適切ではない。
4.　「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」: 学校を休ませるより、学校に行くことのほうが、朝は定時に起床し活動するなど生活リズムが整うことにつながる。