看護師への暴力・セクハラ…あなたは経験ありますか?

セクハラ問題に対して、社会の関心が高まっています。しかし、看護師が日常的に経験している暴力・セクハラ被害は、いまだ見過ごされがちです。

 

日本看護協会の「2017年看護職員実態調査」によると、この1年間に勤務先・訪問先で何らかの暴力・ハラスメントを経験した看護師は52.8%。過去1年だけに限った調査にもかかわらず、看護師の2人に1人が被害に遭っていました

 

 

被害の中で最も多いのは、暴言などによる「精神的な攻撃」で31.5%。次に、殴る・蹴る・物を投げつけるなどの「身体的な攻撃」(22.9%)、無視するなどの「人間関係からの切り離し」(17.9%)「意に反する性的な言動(セクハラ)」(16.0%)と続きました。

 

出典:「2017年看護職員実態調査」

 

 

看護師に暴力・セクハラをする患者たち

こうした看護師への暴力・ハラスメントは「誰から」行われているのでしょうか。

 

暴力・ハラスメントを誰から受けたか(複数回答)

  患者 患者の家族等 同じ勤務先の職員 その他 無回答・不明
精神的な攻撃 40.7% 18.9% 64.8% 3.8% 1.2%
身体的な攻撃 94.5% 2.5% 5.5% 0.8% 0%
人間関係からの切り離し 3.4% 1.9% 93.8% 2.8% 2.6%
意に反する性的な言動 79.3% 6.2% 28.8% 1.2% 0%

出典:「2017年看護職員実態調査」より一部抜粋

 

「人間関係からの切り離し」をはじめとして、実は「同じ勤務先の職員」からの被害は多く、無視や悪口など、職場の人間関係に悩んでいる看護師の姿がうかがえます。

 

その一方で、暴力やセクハラの加害者は圧倒的に患者が多いという点も見過ごせません。「身体的な攻撃」では94.5%、「性的な言動」では79.3%を占めています。

 

経験した被害内訳で最も多い「精神的な攻撃」を見ても、職場の同僚などから受けるケースが最多(64.8%)ではあるものの、患者・家族からの被害も合わせて59.6%に上っています(患者40.7%、患者の家族等18.9%)。

 

 

看護師だから我慢しなくてはいけないのか

今回の調査でも示されたように、「患者・家族から向けられる暴力・セクハラ被害」は、たくさんの看護師が経験しているはずですが、その数に対して表面化することは多くありません。

 

そのため、まだまだ社会に問題として認知されていない現状があります。

 

患者・家族に寄り添うという専門性ゆえに、看護師自身、被害を意識していない側面もあるでしょう。半ば閉じられた空間となる訪問看護では、さらに深刻な被害が心配されます。職場に被害を報告しても守ってもらえなかったという人もいるかもしれません。

 

「患者さんだから仕方ない」

 

「暴力を振るう患者の思いも傾聴して、適切にケアしなければ」

 

「暴言を吐かれたのは、自分が至らなかったせいかもしれない」

 

「“看護師あるある”なんだから、いちいち騒がず、うまくかわして一人前」

 

こんなふうに考えて、あきらめたことはありませんか?

暴力・セクハラ被害は、看護師だから我慢しなくてはいけないのでしょうか?

 

 

看護roo!編集部では、「患者・家族から看護師に向けられる暴力・セクハラ被害」について看護師の皆さんと考え、情報を発信していきます。こちらまで、ご自身の体験談やご意見、情報などをお寄せください。

 

【烏美紀子(看護roo!編集部)】

 

(参考)

2017年看護職員実態調査・PDF日本看護協会

 

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