家族想いの国、シンガポール【最終回】シンガポールの病院の日常

シンガポールで働く日本人ナースやぁぎぃが、海外生活や現地の病院の様子をレポート!!

最終回は、シンガポールの入院患者さんには、家族がぞくぞく見舞いに来る?というお話です。

 

家族が集う病院

シンガポールへ来て2年以上。今でも気になるのは、見舞客の多さ。


第1回でもご紹介しましたが、常に患者さんの周りを家族が5~6人で囲んでいます。
面会人数の制限や面会時間を説明しても、全員無視。
 

こちらとしては、いちいち「どいて!」と言わないと、患者さんの近くに行くことすらできません。正直めんどくさいです。いらいら。
もし忘れ物でもしてその場を離れようものなら、たとえ「すぐ戻る」と告げて5秒後に戻っても、既に家族が患者さんを囲んでいます。
もう一度同じことを言うハメに。

 

「どいて!」
 

家族は看護師へ事細かに質問をしてきます。

 

「お婆ちゃんの今日の様子はどう?」「医者は来た?」「リハビリは何時?」「検査の結果は?」
やっと落ち着いたかと思うと他の家族が来て、また同じことを尋ねてきます。
 

シンガポールと比べると、日本は1人の看護師が受け持つ患者さんの数がずっと多いです。

そのことをシンガポールの看護師に伝えたら、

「どうしてそれでやっていけるんだ?」

と言われました。

 

答えは簡単。

「シンガポールみたいに家族がしつこくない」
とても納得した様子でした。

 

実際には、人手不足の病院も多いですけどね。

 

写真は救急外来。付き添いもいっぱいです

 

私が働く病院ではありませんが、シンガポールのある病院では、病棟の入口に駅の改札のようなものがあり、近くにあるコンピュータで患者の名前、面会者の名前、IC番号を登録させています。コンピュータ上で、1人の患者さんに対して面会者が4人いる場合は、新しく来た面会者は改札を通れず、病棟に入ることができなくなります。
それぐらいしないと、見舞客をコントロールできないんです。
 

うちの病院に、既に2カ月くらい入院しているお婆ちゃんがいます。

 

その方のところへ、40歳ぐらいの息子さんが毎日毎日、面会に来ます。しっかりサラリーマンをしているようですが、昼休憩の時間や、仕事後に毎日顔を見せます。1日に2回来ることもしばしば。
意識のないお婆ちゃんに話しかけたり、手を握ったり、マッサージしたりと一生懸命です。

 

甲斐甲斐しいのですが、おむつ交換をするときに、毎回「どいて!」と言うことになるので、ちょっと面倒です。

 

シンガポールは家族想いの国

たくさんの見舞客にめんどくささを感じながらも、ふと思うことがあります。
 

日本では、親や配偶者が入院していても、こんなに献身的になって家族の面倒をみたり、心配したりするかしら。
 

私は親が入院しても、「仕事があるから」「明日早いから」などと言って、時々見舞いに行くくらいでした。
 

日本では家族より仕事が優先。
シンガポールでは仕事より家族が優先。

 

もちろん、そうでない方もいるでしょうけど。
日系企業から駐在でシンガポールに来ている方なんかは、よく分かると思います。
 

シンガポール人は、休みの日によく家族と出かけます。
インド系のシンガポール人は、旦那が出勤で家を出たばかりなのに、奥さんに「元気ー?」と電話をして、ずっと話したりしています。(何でそんなに話すことがあるのかしら。)
中国系、マレー系、インド系、どのシンガポール人も、病気をすればみんなが心配して駆けつけます。
 

家族が大事なのね。
 

日本では、子供にウザがられるから、または子供に迷惑をかけたくないから、という理由で、1人で暮らす老人が多かったり。60過ぎまでちっとも家にいなかった旦那が、奥さんから「ずっと家にいてウザい」と言われて離婚をされたり。30や40になっても、仕事ばかり(または遊んでばかり?)で、結婚しない人が増えていたり。(「遊んでばかり」は私かも。)

 

生き方は人それぞれですが、「行き着く先は、孤独死?」と心配になります。
 

私の心配はさておき、シンガポールでは孤独死はなさそうです。
 

最近は、シンガポールの病室に溢れかえる家族を見てこう思います。
「これもまあ、いいんじゃないですかね」
 

10回にわたり、シンガポールの病院や私事について書いてきました。

お付き合いくださった皆様、ありがとうございました。

私はこれからも、マイペースで元気に働いていくつもりです。
 

それでは!

 

 

常夏のシンガポールより  やぁぎぃ

 


■プロフィール

名前:やぁぎぃ

経歴:東京都出身。日本で胸部外科外科・眼科などで看護師をしたのち、イギリスで看護師→シンガポールで准看護師に。ほかにもいろいろな国へ短期の渡航を経験し、4カ国の看護系免許を保有。

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