東北楽天ゴールデンイーグルス・日本製紙クリネックススタジアム宮城救護室スタッフインタビュー【後編】

2013/10/26

プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、日本製紙クリネックススタジアム宮城の救護室レポート。

前編では、ボランティアとして救護に従事されている看護師さんにお話を伺いました。

後編では、救護の体制について、球団スタッフの方にお話を伺います。

体調不良の方をすぐにフォローできる体制

楽天野球団・スタジアム部興行運営グループの黒澤さんが、救護体制についての取材に応じてくださいました。

「救護室には、医師を含めたメディカルスタッフ4～5名くらいの方に入っていただいています。医師の方は、当球団から近くの病院へお願いして、来ていただいています。そのほかの方はボランティアで入ってくださっています」

東北楽天ゴールデンイーグルス・日本製紙クリネックススタジアム宮城救護室スタッフインタビュー【後編】001

球団スタッフとして救護室業務の対応にあたる黒澤さん

ボランティアのメディカルスタッフは、看護師、救急救命士といった医療職の方からなり、早番遅番の2交代シフトで入られているそうです。早番は試合開始2時間前の開場から試合開始の1時間後ぐらいまで、遅番はそこから試合終了の30～40分後ぐらいまでとのこと。

「おおよそ看護師の方と救急救命士の方が半々ぐらいですが、中には臨床検査技師の方もいらっしゃいます。

ボランティアを派遣されているNPO法人・救命救急と医療安全を学び実践する会（ALPEN）にご協力いただいて、スタッフの方に入ってもらっています。交代で来てくださっている方は40名ほどかと思います」

ちなみに遅番の場合、試合が延長戦になると終了までずっと待機されているそうです。

「お客様が球場内にいらっしゃる間は、救護室として受け入れられる体制を整えております。その点はボランティアの方にあらかじめご理解いただいた上で、入っていただいています」

体調不良を訴える方がいる場合には、まず黒澤さんに連絡が入ります。

「お客様から場内のスタッフに『具合が悪い』『転んで怪我をした』という申し出があった場合、私の無線に連絡が入ります。それを受けて救護室で受け入れ準備をし、お客様を救護室で迎えます」

東北楽天ゴールデンイーグルス・日本製紙クリネックススタジアム宮城救護室スタッフインタビュー【後編】002

救護室は医療機関ではないため、簡易な設備のみ設置されています

状況に合わせて対応できるように、担架や車椅子も用意されているそうです。

「その場から動かせないようなお客様の場合は、メディカルスタッフと私が現場まで走ることもあります。とはいえ、そうした機会は年に1回もありません」

球場ならではの症状

症状は「お腹が痛い」「転んで膝をすりむいた」といったものがほとんどだといいます。

球場特有の症状としては、「ファウルボールが当たった」という方がたまにいらっしゃるそうです。

「ファウルボールが当たって治療を要するほどの怪我をされる方は、実はあまり多くありません。

1回の連戦に1～2人いらっしゃるかどうかだと思います。年々、ファウルボールに関連する患者さんは減っています。お客様のほうで野球の見方が分かってきて、ご自身できちんとボールの行方を追うようになっているのだと思います」

以前は多かった熱中症も、夏場の試合をすべてナイトゲームで行うようになってから激減したそうです。

また、意外なことに「観客数が増えると救護室が忙しくなる」というわけではないそうです。

「クライマックスシリーズや、リーグ優勝が決まるかどうかという試合のときには、観客席がほぼ満員でした。ただ、そうしたときは、お客様自身がものすごく試合に集中されているんです。お酒もあまり飲まず、ボールの行方もしっかりと追われています。また、ちょっと体調が悪くても、『ここで休むのはもったいない』という心理が働くのか、ほとんど救護室にはいらっしゃいませんね」

「救護室には誰も来ないのが一番」ということで、救護関連の連絡がなかった日には、ほっと胸を撫で下ろして業務を終えられるそうです。

【前編】Kスタ宮城救護室スタッフの看護師さんにインタビュー

東北楽天ゴールデンイーグルスオフィシャルサイト
http://www.rakuteneagles.jp

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