准看護師から正看になるための実務年数を短縮するのはなぜ?厚生労働省取材
准看護師が正看護師になるために必要な経験年数が、10年よりも短くなることが決まりました。この規制緩和の理由について、厚生労働省の担当官に聞きました。

准看護師が正看護師になるための規制緩和
このほど、准看護師が看護師になるために必要な通信制学校への入学要件について、「10年以上の実務経験」という規制を大幅に緩和することが政府の方針として閣議決定されました。具体的な年数は現在詳細を詰めている段階です。
どうして年数が短縮されるのか?
そもそもなぜ経験年数の短縮は必要なのでしょうか?
厚生労働省医政局看護課に今回の制度改正について取材したところ、次のような回答がありました。
●大幅に定員割れする通信教育
- ・2004年の通信教育制度スタートから10年が経過し、一つの区切りとなったこと
- ・2年制の通信課程が大きく定員割れしていること
- ・看護師不足などから、さらなる正看護師への移行促進策が必要であること
特に通信課程の定員割れについては、全国でおよそ3900人の定員に対して受講者数は3200人弱であり、定員の8割しか生徒がいない現状です。
こうした状況では、本来の目的である正看への移行が十分に行われていないと判断され、今回の年数短縮につながりました。
これまでの歩み―養成学校2年から通信教育2年へ
以前は、准看護師が正看護師になるためには2年制の看護師養成学校に入ることが必要でした。これが2004年の制度改正で、経験年数が10年以上の准看護師については、2年間通信教育を受けることによって、国家試験の受験資格を得ることができるようになったのです。
国家戦略特区の議論から全国レベルに拡大へ
准看護師の経験年数の短縮は、もともと国家戦略特区のなかで議論されていたことです。特区とは、構造改革を進めるために、本来なら実施が難しい事業を限られた地域の中だけで実行するためのもので、内閣が中心に取り組んでいます。
ですが准看護師の正看護師への移行促進は、特区の中だけではなく全国レベルで取り組むべき問題と判断され、議論が全国レベルに拡大されました。
具体的な年数は、年内に結論
厚労省では通信課程の受講に必要な経験年数を短くすることで、受講者を増やし、より多くの正看を養成していく方針です。
現在のところ短縮する方向は決まっていますが、実際に何年にするかは検討中です。具体的な年数については、今年中に結論が出されるとのことです。
【横井かずえ】
(参考記事)
「准看護師の養成は時代にそぐわない」|インタビュー◎どう考える?准看護師問題
「“総合診療医”に続く、“総合看護師”の存在が必要」―インタビュー◎どうなる?准看護師制度
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