最終更新日 2019/03/26

ホスピス

ホスピスとは・・・

ホスピス(ほすぴす)とは、治療困難な疾患(末期がんなど)を抱える患者やその家族が快適に生活できるよう、医療ケアを提供する施設(および理念)である。日本では、1973年に淀川キリスト教病院の柏木哲夫医師が、組織的な緩和ケアを導入したのが始まりである。その後、1981年に聖隷三方原病院(静岡県浜松市)が、日本初の院内病棟型ホスピスを開設した。

もともとは、中世ヨーロッパ時代、聖地への巡礼者に対して、教会が宿泊施設や医療ケアを提供したことが語源といわれている。1967年、ロンドン近郊にセント・クリストファー・ホスピスが建設されたのを機に、ホスピスは「末期患者が最期をより良く過ごす生きるための場所」として急速に広がった。また、ホスピスで提供されるケアは「ターミナル(終末期)ケア」と呼ばれるようになった。ケアを提供する場により「施設ホスピス」と「在宅ホスピス」などと呼ばれるが、基本的な理念やケアについては共通している。
また、ホスピスで提供されるケアは、積極的な治療を行わず、痛みや症状などの緩和(体調管理)が中心である。 QOL(Quality Of Life)の向上が目指される。

しかし、ホスピスが末期がんの患者やその家族を対象にケアを提供してきたことから、「ホスピス=死に場所」といったイメージや誤解が生じる結果となった。そのような背景を受けて、近年では「緩和ケア」という用語および考え方が普及しつつある。
 

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