最終更新日 2018/04/25

四肢外傷

四肢外傷とは・・・

四肢外傷(ししがいしょう)とは、上肢・下肢に負った外傷のことである。体幹の外傷(胸部・腹部・骨盤部)や頭部外傷と区別して用いられる。打撲や捻挫等の軽い外傷も含まれるが、臨床において「四肢外傷」という単語を使うときは、開放骨折をはじめ軟部組織のダメージが強い外傷を指すことが多い。

四肢外傷は鈍的外傷の約85%に合併すると言われ、外見は派手であるが、生命の危機的状況に至ることは少ない。しかし、成人の大腿骨骨幹部骨折では1,000mL~1,500mLほど出血するため、必要に応じて輸液・輸血およびモニター管理が推奨される。外見上出血があれば、圧迫止血を行う。

「四肢外傷=整形外科」のイメージが強いが、動脈損傷があれば血管外科による血行再建や放射線科による血管塞栓が必要であり、軟部組織のダメージが特に強い場合は形成外科による植皮等の処置が必要な場合がある。四肢外傷は多くの専門科が協力して治療しなければならない。

執筆: 河原 洋

防衛医科大学校病院 整形外科

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