最終更新日 2017/07/18

終末期医療

終末期医療とは・・・

終末期医療(しゅうまつきいりょう)とは、老衰や疾病、障害等の進行により短期間内において死が避けられないと判断されたときに行う医療のことである。基本的には延命目的の治療を行わず、身体的苦痛や精神的苦痛、霊的苦痛等を取り除き、生活の質(QOL)の維持もしくは向上を目指す行為を実施する。

終末期医療は、ターミナルケアや終末期看護、緩和ケア、緩和医療と呼ばれることもある。また、終末期医療を専門に実施する場所をホスピスと呼ぶことがある。

■終末期医療の対象者
筋委縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)や筋ジストロフィー症、アルツハイマー型認知症、ガンなどの進行により、多臓器が不全状態にある患者を対象に行うことが多い。一般的には余命3か月以内と判断されたときに、治療や延命目的の医療行為を止め、苦痛を取り除く緩和医療のみを実施する。
ただし、余命が長くないと判断されたときも、患者や家族が治療や延命目的の医療行為を求めるときには終末期医療は実施されない。あくまでも、患者の意思が尊重され、患者が意思を明確に示せないときは家族の意思が尊重される。

■終末期医療を実施する場所
一般病院のなかの緩和ケアを専門に行う病床、療養型病院、老人介護施設、障害者介護施設、ホスピス等で終末期医療が実施される。家族と共に最期を迎えたいと患者や家族が希望する場合は、訪問医療や訪問看護によって緩和ケアを実施することもある。

■終末期医療・看護において実施されること
精神的また身体的苦痛を取り除くことが、終末期医療における目標と言える。具体的にはモルヒネなどの医療用麻薬・鎮痛剤を使用して、患者から痛みの感覚をできるだけ取り除くことである。
また、生活の質の維持・向上のために、通常患者には禁止されるアルコールやタバコの摂取を認めるホスピス等もある。治療を目的としないため、自分らしい最後が迎えられるならば、他の患者に迷惑を掛けない限りはほぼ何をしても構わないと規定される施設もある。

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