最終更新日 2019/12/06

ミエロペルオキシダーゼ

ミエロペルオキシダーゼ とは・・・

ミエロペルオキシダーゼ(みえろぺるおきしだーぜ、myeloperoxidase;MPO)とは、好中球と単球に多く存在する酵素の一種である。ペルオキシダーゼに分類される。

ミエロペルオキダーゼは、過酸化水素水(H2O2)と塩化物イオン(Cl-)から次亜塩素酸(HOCl)を生産する。次亜塩素酸は細胞毒性があるため、病原性微生物の殺菌することができる。

ミエロペルオキシダーゼは好中球内ではアズール顆粒に蓄えられている。

【臨床】
臨床としては、ミエロペルオキシダーゼ欠損症と、抗ミエロペルオキシダーゼ抗体(抗MPO抗体)が重要である。

・ミエロペルオキシダーゼ欠損症
ミエロペルオキシダーゼの遺伝的欠損であり、細胞内殺菌能力が低下することで免疫不全を呈する。常染色体潜性遺伝の疾患であり、小児慢性特定疾病の一つである。

・抗ミエロペルオキシダーゼ抗体
血管炎に関係する自己抗体である。特に顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis;MPA)と、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis;EGPA)に深く関与する。
好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody;ANCA)の中で、抗ミエロペルオキシダーゼ抗体は周辺型好中球細胞質抗体(perinuclear-ANCA;p-ANCA)に分類される。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

SNSシェア

用語辞典トップへ