2016年02月13日

モニター心電図の装着法

看護師のための心電図の解説書『モニター心電図なんて恐くない』より。

〈前回の内容〉

心臓の電気伝導の性質

今回は、モニター心電図の装着法について解説します。

 

〈目次〉

 

モニター心電図の誘導法

皆さんが病棟で使用するモニター心電図は、ナースステーションに波形が出る中央モニター型か、ベッドサイドに移動可能なポータブル型ですよね。

いずれにしても、患者さんに付ける電極は、赤・黄・緑の3種類のタイプがほとんどだと思います。

さあ、どこに、どんなふうに貼りますか。知らない方には私が教えてさしあげましょう。

基本はノイズが混入せず、P‐QRS‐Tがはっきりしているモニター波形です。

  • 電極シールが乾いていないかチェックします。 →乾いているとノイズの原因になります。
  • 貼る部分の汚れと角質を落とします。 →検査技師さんは紙やすりを使ったりしますが、消毒綿でよいかと思います。
  • 場所は筋肉の上を避けて、両鎖骨の下と下胸部がいいでしょう。 →筋電図もノイズの原因です。
  • 赤=右鎖骨下、黄=左鎖骨下、緑=下胸部です。 →患者さんの右鎖骨、左鎖骨です。右上から時計回りに「あー、きみ」と、覚えてもよいし、気恥ずかしいなら、そう覚えなくても結構です。

通常は赤と緑の電極間、つまり右上と下の電極間の電位が表示されます。これは肢誘導のⅡ誘導になります。残りの1つはアースです(図1)。

私のいいつけを守って装着すれば、モニターにはⅡ誘導が現れるしくみになっているのです。

図1標準モニター誘導

標準モニター誘導

 

Ⅱ誘導はP波もQRS波も比較的よく見える誘導ですが、はっきりしない場合は、モニターのほうで、電極とアースの関係を操作して、Ⅰ誘導やⅢ誘導に切り替えられますし、それでもダメなら、電極を貼る位置を変えてください。

 

5点誘導法

その他の誘導として、赤・黄・緑、黒・白を加えて5点で誘導を変えるのが、5点誘導法です(図1)。

黒をアースに右下胸部に貼り付けゼロ点とします。黒を基準点にすれば、右上胸部の赤はaVR、左上胸部の黄色はaVL、下胸部の緑はaVFになります。また赤・黄・緑の電位差はⅠ、Ⅱ、Ⅲ誘導になります。さらに白をV1~V6の必要な位置に貼れば、黒との間で胸部誘導が描出できます。

 

3点誘導法

3点誘導法でも位置を変えると、必要な誘導にすることできます(図2)。

図2標準モニター誘導のさまざまな種類

標準モニター誘導のさまざまな種類

 

  • MCL1誘導図2のように緑をVの部位に貼るとV類似のMCL1波形となり、P波が大きく見えます。
  • MCL5誘導:同様に緑をVの位置にすれば、Vに似たMCL5波形となり、R波ST-T波が強調され、狭心症などST-Tの観察に適しています。
  • NASA誘導:胸骨上縁と下縁の電位差で、筋電図が入りにくく、P波観察にもってこいです。

 

さまざまな誘導の心臓を見る方向

 

モニター心電図を付けますと、基本的にはⅡ誘導が画面に現れます。なぜでしょう。

Ⅱ誘導は右上から左下への興奮の伝導を心電図波形で上向きに描出します。洞結節は心房の右上にあり、信号は右上から発信され、全体として心房の興奮は右上から左下に向かいます(図3)。つまり、心房興奮の集合体であるP波はⅡ誘導で大きく、上向きに描かれるわけです。

図3心房の興奮の伝導方向

心房の興奮の伝導方向

 

心室興奮でも、ヒス束から出た信号は、左室筋が多いのも関係して、全体としては右上から左下に伝導します。つまり心室収縮の波であるQRS波は右上から左下への方向、つまりⅡ誘導で大きく、上向きの波として現れるわけです。

Ⅱ誘導はP波・QRS波とも大きく、上向きに見られるので、不整脈の監視にはもってこいの誘導なのです。ですから、主に不整脈検出を目的とするモニターはⅡ誘導が優先されるのです。

大切なのはモニターを装着することではなく、患者さんの状態を把握すること…ですから。

それでは、次回より実際の心電図を勉強していきましょう。

 

〈次回〉

正常心電図―心拍数を測ろう―

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『モニター心電図なんて恐くない』(著者)田中喜美夫/2014年3月刊行

モニター心電図なんて恐くない

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術後、シバリングが出現したため、電気毛布で保温しています。点滴はソルデム®1(500mL)80mL/H、フェンタニル®(0.5㎎)1A+生理食塩水40mlをシリンジポンプで2mL/H(2~5mL/Hで調節可)、硬膜外麻酔として0.2%アナペイン®4mL/Hで管理しています。
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  • 4.ドレーン排液の性状・量、尿量、下腹部の状態を確認した後、フェンタニル®持続投与を2mL/Hから3mL/Hへ増量し、経過観察するよう指導した。
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