これは便利! トリアージポストで手軽に使えるグッズとは?|「日本集団災害医学会総会・学術集会」より

国内外における災害時の医療や防災業務に携わるさまざまな職種が参加する集団災害医学会総会が、2016年2月27(土)~29日(日)に山形で開催された。東日本大震災以降、はじめて東北地方で開催された同学会の「21回日本集団災害医学会総会・学術集会」の様子をレポートする。


ポスターセッションで報告する大庭氏

 

トリアージポストでのメガホンと直径約30cmのアナログ時計を使った活動の有用性について「トリアージ活動においてメガホン,大きなアナログ時計(直径約30cm)は役立つか?」と題して報告したのは、大庭由希子氏(加古川東市民病院)。

 

大庭氏は、2015年8月30日に行った兵庫県・播磨広域総合防災訓練で担当したトリアージポストの赤エリア、黄エリア、緑エリアで、それぞれの色のメガホンを誘導スタッフおよびトリアージ責任者に持たせ、また、アナログ時計はスタッフの一人に背負わせてトリアージポスト内を移動させたという。

そして訓練後、トリアージポストで訓練を行ったスタッフ(他施設のスタッフ含む)にアンケートをとったところ、メガホン、アナログ時計ともに「有用である」との回答が多く、好評だったと報告した。

 

通常、こういった現場では、各エリアの意思伝達にはトランシーバーや拡声器などが使われるが、どちらも高価であり、使い慣れていないと使い勝手が悪く、重いなどの欠点もある。
対して、メガホンやアナログ時計は軽いため、持ち運びしやすく、また安いために、たとえ壊れてもすぐに買いかえられるという利点がある。

 

さらに、メガホンの場合、赤、黄、緑といったトリアージエリアの色とそろえることで、遠くからでもそのエリアが何色のトリアージエリアなのかという目印になるのだとか。

「数十メートル以上離れた場所との伝達であれば、トランシーバーなどでなければなりませんが、トリアージポスト内などの限られた範囲での伝達であれば、メガホンで十分聞き取れます」と大庭氏は言う。

 

また、今回の結果を受けて、それ以降の防災訓練でもメガホン、アナログ時計を使用してみたところ、特に救急隊員からはアナログ時計が重宝されたという。

共同研究者の切田 学氏(加古川西市民病院)によると、「特にNBCの災害現場では特殊な防護服を身につけていることもあり、腕時計などがなかなか確認しづらいためではないか」ということであった。

 

混乱をきたしやすく、一分、一秒を争う災害現場では、ちょっとした便利さがスムーズな活動につながることもある。大庭さんは「今後もこういった工夫を重ねて災害訓練などで試行していきたい」と報告して終了した。

【看護roo!編集部】

 

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2016年2月27(土)~29日(日)
第21回日本集団災害医学会総会・学術集会

【会長】

森野一真(山形県立中央病院)

 

【副会長】

石井 正(東北大学病院)

眞瀬智彦(岩手医科大学)

 

【会場】

山形ビッグウィング(山形国際交流プラザ)

 

【学会HP】

日本集団災害医学会

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