小児における経管栄養チューブの種類と選び方

『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。

今回は経管栄養チューブの種類と選び方について解説します。

 

 

山元恵子
富山福祉短期大学看護学科長

 

 

栄養法の選択基準

消化管機能の有無が、栄養法選択のポイント

経管栄養(経腸栄養)は、消化管機能が保たれているものの、食物を口から取り入れ、咀嚼・嚥下することができない場合に選択される(図1)。
消化管機能が障害されている場合は、静脈栄養を選択することになる。

 

図1 栄養法の選択基準

栄養法の選択基準

ASPEN(米国静脈経腸栄養学会)抜粋

 

 

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よく用いられる経管栄養法

経鼻チューブと胃瘻・腸瘻に分けられる

的にチューブを挿入し、・十二指腸・空腸にミルクや栄養剤を注入する方法、または胃瘻や空腸瘻を介して注入する方法が用いられる(図2)。

 

図2 よく用いられる経管栄養法

よく用いられる経管栄養法

 

 

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チューブの選択

栄養チューブと排液用チューブの違いに注意!

経鼻的に用いるチューブには、栄養チューブと排液用チューブがある。
栄養剤注入を目的とする場合は、専用の栄養チューブを選択する必要がある。

 

栄養チューブ・排液用チューブの接続部の形状

栄養チューブを栄養セットと接続する部分の形状は、さまざまである。輸液ラインとの誤接続の危険性を避けるため、接続部が太口の新タイプを用いるとよい(図3)。

 

また、同様に胃に挿入するチューブであっても、排液用チューブは消化液などの排出を目的とし、材質・構造ともに栄養チューブとは異なる。経管栄養法は栄養剤の注入を目的としており、排液用チューブを代用することなく、専用の栄養チューブを選択する。

 

図3 栄養チューブ・排液用チューブの接続部の形状

栄養チューブ・排液用チューブの接続部の形状

 

CHECK!

経腸栄養製品の変更

経管栄養と点滴ラインの誤接続による事故防止のため、新たなコネクタの国際規格が制定された。旧規格のコネクタから新規格のコネクタへ順次切り替え予定となっている。

 

それに伴い、栄養チューブと栄養セットどちらかが旧規格のものであった場合は、互換用コネクタが使用される(図4)。使用に当たっては十分留意が必要である(図5)。

 

図4 変換コネクタ

新規格製品と旧規格製品の互換性をもたせる変換コネクタ

変換コネクタ

 

図5 コネクタカバー

コネクタの硬質部分が直接肌に当たることを防ぐコネクタカバー

コネクタカバー

 

チューブ先端部の形状

栄養チューブ、排液用チューブの先端部は、それぞれ「注入」「排液」という異なる機能に適した構造を持つ(図6)。

 

図6 チューブ先端部の形状

チューブ先端部の形状

 

①スタイレット付き。注入孔は先端部のみにある。
②X線不透過ラインがある。X線検査で位置を確認し、誤注入を防止できる。
③先導子(錘)付き。胃内での収まりがよい。
④側孔が単数で、ゆっくり注入できる。
⑤側孔が複数あり、排液・排ガスに適している。

 

経鼻栄養チューブの太さの目安

経鼻栄養チューブの太さの目安は表1の通り。

 

表1 経鼻栄養チューブの太さの目安

経鼻栄養チューブの太さの目安

 

POINT

栄養チューブ選択のポイント

■材質は、ポリウレタン製。
■X線不透過ラインがある。
■誤接続防止の太口タイプ。

★栄養チューブと排液用チューブでは、材質・構造が異なるため、必ず、専用の栄養チューブを用いる。

 

 

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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ

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