小児の経管栄養ー種類・目的・適応
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は小児の経管栄養のうち、種類・目的・適応について解説します。
山元恵子
富山福祉短期大学看護学科長
小児の栄養に関する特徴
- 小児は代謝と活動のためのエネルギーに加え、成長のためのエネルギーを必要とする。
- 体重当たりの栄養所要量は、成人と比較して月齢が小さいほど大きい。
- 小児は唾液・消化液の分泌や免疫機能が未熟なため、咀嚼機能の発達に合わせたトレーニングが必要である。
- 小児の発達や障害に応じた食事形態を考慮し、必要量のエネルギーを確保する。
- 小児期に、将来にわたる望ましい食習慣を身につける必要がある。
- 家族と食卓を囲み、食事を楽しむ経験が小児の心を豊かにし、安定した発達を促す。
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経管栄養の種類
経管栄養の種類は図1のように分類される。
図1 経管栄養の種類

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経管栄養法の目的
●疾患や障害により、経口での栄養摂取が十分にできない小児に対して、流動食をチューブで直接、消化管に注入する。
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経管栄養法の適応
- 1意識障害や嚥下障害がある場合
- 2上部消化管の手術後
- 3気管挿管中で、鎮静薬や麻酔薬を使用している場合
- 4先天性心疾患などによる衰弱、授乳による疲労が激しい場合
- 5拒食症などにより、食物を拒否している場合
- 6口腔内疾患や口腔の手術後
- 7中枢神経障害(反回神経麻痺)により、誤嚥の危険や逆流障害がある場合
- 8上部消化管の通過障害や奇形のある場合
- 9吸啜、咀嚼、嚥下機能が不十分(口蓋裂・口唇裂・開口障害)である場合
- 10顔面や頸部の外傷、熱傷のある場合
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経管栄養のメリット・デメリット
経管栄養法をスムーズに実施するために
経管栄養法をスムーズに、安全に実施するためには、方法のメリット・デメリットをよく知って、的確に対処する必要がある。
【メリット】
- 1直接、消化管に届くため、消化吸収がよい。
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- 2少量でバランスよく栄養とエネルギーを獲得できる。
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- 3流動性に優れ、速度調節がしやすい。
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- 4水溶剤などは確実に注入され、治療効果が高く、副作用が少ない。
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- 5滅菌管理の必要がないため、在宅で実施しやすい.
【デメリット】
- 1チューブが気道に入ると、誤挿入・誤注入が発生し、重篤な合併症を起こす。
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- 2チューブや器材、注入液による感染症を起こす場合がある。
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- 3小児は絶えず成長しているため、チューブ挿入の位置を常時、確認する必要がある。
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
単行本に収録されているWeb動画は掲載していません。視聴されたい場合は、単行本をお買い求めください。
[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ


