穿頭術

『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』より転載。
今回は穿頭術の流れや看護のポイントについて解説します。

 

川島久美子
東海大学医学部付属八王子病院看護部副主任

 

 

穿頭術とは?

穿頭術は、頭蓋骨にドリルで穴を開け、ドレーンの挿入や血腫の洗浄などを行う治療です(図1)。

 

主に外傷後時間が経過した慢性硬膜下血腫の治療に用いられます。

 

図1穿頭術を受ける患者さんの状態

図1穿頭術を受ける患者さんの状態

 

 

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看護師は何に注意する?

穿頭術前の看護のポイント

全手術に共通する確認事項のほか、術後に比較するため、意識障害や運動障害の程度を確認しておきます。

 

memo:全手術に共通する確認事項

  • アレルギーの有無
  • 感染症の有無
  • 内シャントの有無
  • 内服状況(特に抗凝固薬)
  • 義歯や動揺歯の有無

 

手術室看護師は、手術申し込みがあった時点で、カルテから病態に関する情報(左右確認・血腫部位・麻痺の状態)を早急に収集します。

 

術前に必要な物品を準備しておきます(図2)。

 

図2術前の物品準備

図2術前の物品準備

 

穿頭血腫洗浄除去術の流れと看護のポイントを図3に示します。

 

図3穿頭血腫洗浄除去術の流れと看護のポイント

図3穿頭血腫洗浄除去術の流れと看護のポイント

 

memo:スキンステープラー

医療用のホチキス。

 

穿頭術後の看護のポイント

術前とどのような変化があるか(意識障害・運動障害の改善の有無など)を確認します。

 

ドレーンは抜去が起こらないよう、ドレーン挿入部を保護します。

 

ドレーン感染が起こらないよう、ドレーンとバッグを清潔に扱います。

 

必要時、患者さんに安静度の説明を行います。

 

頭蓋内圧亢進症状がないか、あるいは増悪がないか観察します。

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社

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