NK細胞はどんな役割を果たすの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回はNK細胞の役割について解説します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

NK細胞はどんな役割を果たすの?

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)はほかの血球と同様に骨髄で作られるリンパ球です。常に血液のなかを巡回しており、細胞がウイルスに感染した初期の段階でいち早く反応します。通常、リンパ球が反応できるのは、ウイルスに感染した細胞です。NK細胞は、過去の記憶に頼るのではなく、あれは敵だという直感で動いているユニークな一匹狼ともいえます。

 

NK細胞は、自然免疫担当細胞として適応免疫が機能する前に駆けつけ、感染した細胞を破壊します。NK細胞が能力を発揮する対象の1つが癌細胞です。

 

癌細胞は、もともとは生体が生み出したものです。癌細胞は発癌遺伝子を発現したり、あるいは、遺伝子に組み込まれていた正常なプログラムが破壊されているため、その生体の一部として生きることを拒否し、逆に生体内で限りなく増殖し続けます。

 

免疫は、自己と非自己を見分ける仕組みですが、癌細胞は非自己として認識されます。NK細胞は、非自己として癌細胞に対しても能力を発揮し、自己発現の結合が減少した癌細胞を見つけ次第、破壊します。しかし、癌細胞に対する防御は完璧なものではなく、NK細胞の攻撃から逃れた癌細胞は体内で増殖を始めます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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