酸素療法の新しいデバイスにはどんなものがあるの?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。

 

今回は「新しいデバイス」に関するQ&Aです。

 

露木菜緒
国際医療福祉大学成田病院準備事務局

 

酸素療法の新しいデバイスには、どんなものがあるの?

 

高流量システムではハイホーネブライザーやネーザルハイフロー、マスクではオキシマスクがあります。

 

〈目次〉

 

ハイホーネブライザー(図1

図1ハイホーネブライザー

ハイホーネブライザー

酸素ダイヤル目盛り

 

ハイホーネブライザーは、40~98%の酸素濃度をすべて35L/分以上のハイフローで供給することができる高流量システムである。

 

ハイホーネブライザーは、常に35L/分以上の流量を維持できるため、どの酸素濃度でも、患者の呼吸パターンに左右されることなく、安定して設定した酸素濃度管理ができる。

 

流量の目盛りを設定酸素濃度に合わせ、印字されている推奨流量どおりに酸素流量計の設定を行えばよいので、毎回総流量表を確認する必要がない。

 

マスクや蛇管などは、従来のものを使用する。

 

ネーザルハイフロー(図2

図2ネーザルハイフロー

ネーザルハイフロー

 

ネーザルハイフローは、専用のカニューラを用いて、加温加湿されたガスを高流量(30~60L/分)で供給できる高流量システムである。

 

高性能加湿器(人工呼吸器で使用するもの)と熱線入り回路を使用するため、十分な加湿が得られ、鼻が痛くなる心配は少ない。

 

加温加湿器、ガスブレンダー、それらをつなぐ回路がセットになっており、ハイフローで送気して気道の死腔ウォッシュアウト(洗い流し)できるだけでなく、少量の気道陽圧もかかる。

 

飲食・会話が可能で、音も静かである。

 

加湿用蒸留水の消費が非常に早い(500mLなら約3時間でなくなる)ため、早めに交換する。

 

流量設定時は、吸気時にも供給ガスが漏れる流量に設定する。吸気時に外気の吸い込みがあるときは、流量が不足している。

 

ネーザルハイフローを装着しても呼吸状態の改善がないときは、NPPV(非侵襲的陽圧換気)を含む人工呼吸管理への移行を検討する。

 

オキシマスク(図3

図3オキシマスク

オキシマスク

 

オキシマスクの側面には大きな穴が開いており、呼気の再呼吸のリスクが少ないことから、5L/分以下の低流量でも使用できる。

 

酸素の吹き出し口がディフューザーと呼ばれる構造になっており、酸素が拡散せず、高いFIO(吸入気酸素濃度)が得られる。

 

オキシマスク1つで1〜12L/分まで対応できるため、流量によってデバイスを変更する必要がなく、内服や口腔ケアが可能となる。

 

略語

 

  • NPPV:(noninvasive positive airway pressure):非侵襲的陽圧換気

[文献]

  • (1)田勢長一郎:酸素療法・酸素療法の適応と中止.丸川征四郎,槇田浩史 編,呼吸管理・専門医にきく最新の臨床,中外医学社,東京,2003:58-60.
  • (2)瀧健治:呼吸管理に活かす呼吸生理 呼吸のメカニズムから人工呼吸器の装着・離脱まで.羊土社,東京,2006:95.
  • (3)Kallstrom TJ. AARC Clinical Practice Guideline:Oxygen thrapy for adults in the acute care facility-2002 revision & update. Respir Care 2002; 47: 717-720.
  • (4)宮本顕二:インスピロンQ&A「より安全にお使い頂くために」 Q10.日本メディカルネクスト株式会社.(2014年11月18日閲覧).

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

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