ホルモンを受け取るのはどこ?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「ホルモンの目的地」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
ホルモンを受け取るのはどこ?
ホルモンは血液中の特定のタンパク質と結合し、血液の流れに乗って全身を巡ります。
ホルモンの目指す対象を、標的器官、標的細胞などといいます。ホルモンが鍵だとすれば、その鍵にちょうど合う鍵穴を持っている細胞が標的細胞です。
お隣はA新聞、前の家はB新聞、裏の家はC新聞と、契約した家にだけ新聞が配達されるように、ホルモンも体中をめぐりながら、自分を求める受け手を探し、特定の受け手にしか情報を渡さない仕組みになっているのです。
情報の受け渡しは、そのホルモンに見合った受容体を細胞が持っているかどうかによって決まります。ホルモンによって細胞に届けられた情報は、細胞の表面から内部にあるいは核に伝えられます。
MEMO標的細胞
標的細胞は、該当するホルモンだけを認識して結合し(これを特異性といいます)、ホルモンの血中濃度が低くても、効率よく情報を伝えられます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版