三方活栓、自信ある? 安全使用のポイントをチェックしよう
静脈麻酔や輸液療法、点滴などを行う際、薬液の流路を調整するために使用するコック、三方活栓。
輸液と患者の血管をつなぐチューブに三方活栓を挟むと、他の薬も注入できるため、患者の負担を軽減することができます。
便利な一方で、使用には気を付けなければいけない点も多く、不適切事例の報告が後を絶ちません。
そのため、医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、安全に使用するための注意ポイントをホームページで公表しました。
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開放せず注入開始や、血液逆流の事例も
三方活栓の不適切な事例について、昨年8月のPMDAの発表によると、「コックの開閉を忘れて薬剤が適切に流せなかった」という報告が2011年1月から昨年6月末までで14件ありました。
●医療機関での具体例1
ヒューマリンR調整液(インスリン注射液)をシリンジポンプで注入する際、看護師がシリンジポンプに注射器をセットした後に、三方活栓を開放しないままポンプの開始ボタンを押してしまい、その後調整液が注入されていないことに気付いた。
●医療機関での具体例2
点滴終了後に看護師が点滴チューブ内の薬液の凝固を防ぐために輸液セットを外し、三方活栓から生理食塩水を注入した際、閉鎖しなければいけない三方活栓を開放したまま注射器を外した。
そのため、三方活栓から血液が逆流。
PMDAが今回公開した医療安全情報では、三方活栓をめぐる4事例を挙げ、それを防ぐ改善策として注意ポイントを挙げています。
以下はその内容の抜粋です。
コック/バーの位置確認を
●事例1
点滴チューブを側管に接続した際、三方活栓の向きを変えずに点滴開始をしたため、30分間薬液が流れず、シリンジポンプの閉塞アラームが鳴って気がついた。
●事例2
処置のため、一時的に三方活栓の患者側をOFFにした後、元に戻すのを忘れ、輸液ポンプの閉塞アラームが鳴って気がついた。
◆注意ポイント◆
・三方活栓使用時は、コック/バーの位置を確認すること。
医療安全情報によると、コック/バーの位置確認を怠ると、側管が閉鎖したままになったり、 患者側に輸液が流れていない状況に陥ることがあります。
三方活栓を操作した後は、必ず最後に薬液の流れている方向を確認することが大切です。
また、1バータイプと3バータイプでは、コック/バーの位置により、流路の閉鎖と開放が逆になります。
コック/バーと流路を必ず確認しましょう。
プラグ/バルブごと外さないよう注意
●事例3
三方活栓に、プラグ/バルブと点滴チューブを接続し抗生剤を投与した。
抗生剤投与終了後、点滴チューブを外す際に、誤ってプラグごと外し、患者の血液が漏出した。
◆注意ポイント◆
・三方活栓から点滴チューブを外す際は、誤ってプラグ/バルブごとを外さないように注意すること。
医療安全情報によると、プラグ/バルブごと外してしまうと、血液が漏出してしまいます。
接続部のゆるみ・外れに注意しながら、混注口から外すのが適切です。
接続部はずれに注意、定期的に確認を
●事例4
◆注意ポイント◆
・三方活栓同士を接続して使用する必要がある場合は、身体の下等への挟まれや引っ張りによる接続部外れ、破損等に注意すること。
・接続部のゆるみ、外れ、薬液漏れ等について定期的に確認すること。
医療安全情報によると、三方活栓同士を接続して使用している場合には、破損や接続部外れの危険があり、そこから薬液が漏出することがあります。
三方活栓同士の接続・使用は最小限にしましょうと呼びかけています。
(参考)

