東北楽天ゴールデンイーグルス・日本製紙クリネックススタジアム宮城 救護室スタッフインタビュー【前編】

プロスポーツには怪我や故障がつきもの。

でも、スポーツの会場で体調を崩すのは、選手ばかりではありません。

今回は、野球場で体調を崩されたお客様のケアをする、救護室のスタッフにインタビューを行いました。

 

取材先は、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、日本製紙クリネックススタジアム宮城(以下、Kスタ宮城)。

楽天イーグルスは今年、球団創設9年目にして初のパ・リーグ優勝を果たし、勢いそのままに日本シリーズ進出を決めました。

取材日はクライマックスシリーズのまっただ中。この日も、試合開始のだいぶ前から、たくさんの人で賑わっていました。

 

プレイボールまで時間があるにも関わらず、この賑わい

プレイボールまで時間があるにも関わらず、この賑わい

 

試合が始まり、ファンの歓声に包まれる中、球場の一角にある救護室にお邪魔しました。

 


救護室は球場の1階。すぐ近くには警備員さんの姿も

救護室は球場の1階。すぐ近くには警備員さんの姿も

 

人とのつながりを得られる場所

 

この日、Kスタ宮城の救護室では、3名の看護師の方がボランティアのメディカルスタッフとして待機されていました。

左から、沢辺さん、佐々木さん、大崎さん。皆さん看護師さんです

左から、沢辺さん、佐々木さん、大崎さん。皆さん看護師さんです

 

普段はそれぞれ、異なる場所で勤務されています。

 

メディカルスタッフのボランティアに参加されたきっかけを伺ってみました。

 

沢辺さん「私はBLSの講習に出席した際に医療関係のメーリングリストに参加して、そこで楽天の救護室スタッフ募集を知りました。元々野球が好きでしたし、地元に球団ができるというので参加しました」

 

佐々木さん「直接のきっかけは、ボランティアの紹介をされているNPO法人の方にお声がけいただいたことです。こちらのボランティアではBLSと救命処置のスキルが必須とされていて、私は救急外来に勤務しているので、その知識を少しでも役立てられればと思いました」

 

大崎さん「救命処置の講習に参加していたメンバーのつながりで、こちらのメディカルスタッフのお話を伺って、その流れで参加しました。あと、地元の球団、宮城、仙台に貢献できるというのも大きかったですね」

 

 

夜勤明けや休みの日など、空いた時間を使ってこちらのボランティアをされている皆さん。

スタッフとして入る日を自分で選んで参加しているため、毎回いろいろな職場の方と一緒になるそうです。今回は全員看護師さんですが、メディカルスタッフの約半数は救急救命士とのこと。

 

沢辺さん「最初は興味本位で始めたんですけれど、医療職の友達が増えたり、こちらでご一緒した医師の方と別の機会にまたお会いしたりして、どんどん輪が広がっていくのが楽しいです」

 

佐々木さん「私はずっと同じ病院に勤めているので、ほかの病院の方や救命士の方と交流を持てるのがありがたいです」

 

大崎さん「ここでしか会えないんですよね。救命士の方は病院に患者さんを連れてきてくれますけど、患者さんの引き継ぎのときぐらいしか接点がありませんから。ここだとご一緒して、普段どのように考えて仕事をされているか伺えます」

 

ジャケットの背中にはメディカルスタッフのマーク。青が夏服、白が冬服だそうです

ジャケットの背中にはメディカルスタッフのマーク。青が夏服、白が冬服だそうです

 

試合を見守りながら待機

 

試合中は、待機室にあるモニターで試合の様子を見守ります。

体調不良などで救護室利用希望のお客様がいる場合は、無線で連絡が入るので、受け入れ体制を整えておき、救護室にてケアをします。

患者さんの様子を伺いつつ、バイタルチェック

患者さんの様子を伺いつつ、バイタルチェック

 

沢辺さん「レアケースですけれど、一度にたくさんの患者さんがいらっしゃってベッドが埋まってしまったときには、簡易ベッドを出すこともあります」

 

救護室は医療機関ではないため、応急的な処置のみを行います。

そのため、救護室にある医薬品は市販品と同じもので、本格的な治療はできません。こちらで対応できない患者さんの場合には、救急車を呼んで搬送してもらうことになります。ただ、そうした例は月に1回あるかないかだそうです。

 

患者さんがなく、救護室が落ち着いている場合には、バックネット裏で球場内を見渡せる「巡視席」へ行き、様子を見てきたりするそうです。


巡視席からの眺め。球場内を一望できます

巡視席からの眺め。球場内を一望できます

 

佐々木さん「遠目に見ていて、ファウルボールが行ったなー、というようなときは注意して見ています。何かあれば無線が入りますし、自分から無線連絡することもできます」

 

「球場の救護室というと選手も?!」と思いますが、救護室で看る対象は主に観客。

それでも、人とのつながりや野球が好き、楽天が好きで、ずっとメディカルスタッフを続けていきたいという皆さん。

 

 

佐々木さん「シーズンが終わったあとに救護室スタッフの懇親会があって、またたくさんのスタッフと会えるので、それはすごく楽しいですね」

 

特に楽天イーグルスが勝っているといっそう楽しいというスタッフの皆さん。

取材があった日、楽天イーグルスは惜しくも敗れましたが、その後に勝利を重ねて日本シリーズ進出を決めました。このまま日本一になれば、今年の懇親会は大盛り上がりとなることでしょう。

 

後編では、救護室の体制について、球団スタッフの方にお話を伺います。

 

Kスタ宮城救護室【後編】試合が白熱するほど救護室はひま?

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