チーム医療の役割分担で看護師の負担は減らせるか?

チーム医療が進む中、現在は看護師が主に行っている業務のうち、「注射薬の混注」や「採血」、「医療機器の点検」「認知症患者の見守り」など幅広い分野で、他の専門職やボランティアとの役割分担を進めたいと考えている病院が多いことがわかりました。

 

調査は日本病院会が実施したものです。

 

特定行為に係る看護師の研修制度」の実施により、看護師の業務はさらに広範囲・高負担になる予想もあり、チーム医療が進む中で、どのような業務を他職種に分担すれば、看護師の業務負担を軽減できるかを調べることを目的に行われました。

 

5年前と現在を比べ、各業務を「(5年前に)担当していた職種」と「現在担当している職種」、「今後、担当して欲しい職種」について、看護部長から回答を得ています。

 

日本病院会の会員947施設が回答しました。

 

アンケート結果からは、医療機器の管理は臨床工学技士に、薬は薬剤師に、マニュアル対応が可能なものは事務職員に、また看護師への負担が増加している高齢者の見守りにはボランティアの活用を期待している現状がわかりました。

 

 

 

持参薬チェック、注射薬の混注入は薬剤師へ

「持参薬チェック」は5年前より薬剤師への業務移行が進み、現在は看護師より薬剤師による実施が上回っています。

 

今後はさらにその傾向が強まって、ほぼ薬剤師のみが行う業務となりそうです。

 

「注射薬の混注」については、5年前と現在とで看護師の実施割合に大きな変化はありませんでした。

 

しかし、今後の役割分担への期待では、看護師による実施割合が30%程度にまで減る一方で、薬剤師の割合が84%まで上昇するなど、さらなる役割分担が期待されています。

 

 

医療機器の点検は臨床工学技士、採血は検査技師へ

医療機器については臨床工学技士の専門的なスキルへ委ねたいと期待する声が上がっています。

 

例えば内視鏡室における「光源・スコープ準備、点検」では、5年前と比べて看護師による実施割合に大きな変化はありません。

 

しかし今後についてはさらなる役割分担を望む声が多く、臨床工学技士による実施が望ましいとの回答が47%と半数を占めました。

 

また、「採血」は看護師から検査技師へ移行が進んでいることがわかります。

 

外来において検査技師が採決を実施する施設は、5年前の41.8%から58.3%へと大幅にアップしています。

 

また外来、病棟のいずれにおいても、将来的に採血を実施する職種としてふさわしいのは「看護師」が半分以下に減り、反対に「検査技師」との回答が8割を占めるなど、採血業務の検査技師への移行が期待されていることがわかりました。

 

 

マニュアル対応は事務担当へ

一般事務担当職員へ移行したい業務には、「入院時のオリエンテーション」などが挙げられます。

 

5年前と比較して、看護業務補助者による実施が増えているものの(17%→35%)、今後についてはさらに業務の移行を進め、看護師による実施は38%に減って看護業務補助者(46%)や一般事務担当職員(36%)への業務の移行を進めたいとの意見が目立ちました。

 

また、自由意見では「マニュアル通りですむ場合は役割分担したい」などの意見がありました。

 

 

認知症患者の見守りが看護師の大きなストレスに

高齢化が進む中、認知症患者などの見守り分野で、介護職種やボランティアスタッフとの分業に期待する意見も多く挙げられています。

 

認知症患者、不穏が見られる患者等の見守りについて、5年前と現在とで看護師による実施割合に変化はありません。

 

ですが今後は他職種へ移行したいとの意見が多く、特に見守りが必要な高齢者の対応に、ボランティアの活用を考えている施設が増加している傾向がわかりました。

 

自由意見には、高齢化に伴い、認知症、せん妄・ 不穏状態の患者の対応には苦慮し多くの労力を要することや、そのために他の患者の看護に支 障をきたし看護師のストレスや疲弊に繋がっている等の意見が多く見られました。

 

 

役割分担すれば看護師は本来のケアに専念

役割分担を進めることで、看護師は本来の業務である患者のケアに専念することができ、医療の質向上が期待できます。

 

一方で、業務を分担したくても看護師に比べてマンパワーの小さい職種への移行は難しいとの意見もみられました。

 

またいずれの業務を分担するとしても、教育体制やマニュアルの整備、責任範囲の明確化などを行った上で、役割分担を進めていくことが重要になります。

 

【ライター:横井かずえ】

(参考)

看護業務の役割分担に関する実態調査(PDF)(日本病院会)

 

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