名大医学部付属病院で患者情報入りメモリーが紛失 看護師が行うべき情報管理とは?

【ナース知っ得ニュース 2014/12/10号】

 

名古屋大学の医学部付属病院で、患者さん83人の個人情報を記録したUSBメモリーが紛失しました。机の引き出しに施錠して保管していたところ、何かの理由によって紛失したといいます。現在のところ外部流出や不正利用は確認されていませんが、大学は紛失したメモリーに個人情報が入っていた患者さんに謝罪し、個人情報保護対策を一層強化する姿勢を示しています。

 

患者情報入りメモリー紛失…名大医学部付属病院(読売新聞)

 

名大医学部付属病院で患者情報入りメモリーが紛失 看護師が行うべき情報管理とは?

 

相次ぐ患者さん情報の紛失事件

施錠した机の引き出しに保管していたはずのUSBメモリーが紛失しているのに気付いたのは、11月10日のこと。内部に保存されていたのは、患者さんの氏名や年齢、性別、疾患などの8項目を記した表でした。特定の診療科が、患者さんの情報共有や治療方針決定などを行うために開催する症例検討会に使うものだったといいます。

 

患者さんの個人情報紛失の事件は、今回の件に限らず、相次いで起きています。今年8月には大分大学医学部付属病院で、1万3286人ものデータが入ったUSBメモリーが紛失しました。大元の原因は、内規で禁止されているのにも関わらず、医師などが持ち運び可能なノートパソコンに、電子カルテなどの情報を保存していたこと。紛失したUSBメモリーは、そのノートパソコンに保存したデータのバックアップに使用されたものだったのです。

 

個人情報の流出で、自分の身に振りかかるリスクは?

日頃から、手軽に患者さん情報を手にすることのできる看護師にとって、個人情報の取り扱いについてはとても身近な問題です。例えば、医師などから患者さん情報が保存されたUSBメモリーやパソコン上でのデータ管理、出力された用紙などの管理を任されるシーンがあるかもしれません。

 

いまさら聞けない!ナースの常識【2】個人情報の扱い方」の記事でも紹介したように、もし患者さんの個人情報の流出に関わった場合、法律上の罰則はすぐに受けることはないものの、対外的に病院が信用を失うことは確かです。個人情報流出の被害に遭った患者さん次第では、訴訟に発展するケースもあり、病院に及ぼす被害は計りしれません。

 

看護師が実践すべき個人情報への対応策

医療機関における個人情報とは、カルテに記載された患者さんに関わるすべての情報と、医療従事者がメモ書きした個人を特定できる患者さん情報のことを指します。

 

看護師は、患者さんが同意している利用目的の範囲内であれば、必要な情報をカルテから抜き出してリスト化することを許されています。しかし、必要な情報だけを利用し迅速に消去することが条件です。

 

ちょっとしたメモの切れ端であっても、紛失すれば個人情報の漏えいになります。

情報漏えいを防ぐために、日頃から実践すべきことをおさらいしておきましょう。

 

  • 1.不必要(不正)にコピーしない(写真に撮るのもだめ)
  • 2.院外へ持ち出さない
  • 3.院内でも不特定多数の人が入り込める場所へ放置しない、鍵付きの引出しにいれる等、紛失しないための決まりを守る
  • 4.使用後は速やかに院内で消去する、紙の場合は院内でシュレッターにかける
  • 5.誰かに頼まれても犯罪(の可能性があること)には手を貸さない(手伝わない)

 

(参考)

http://www.asahi.com/articles/ASG8Y6410G8YTPJB00J.html

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