最終更新日 2023/07/18

JCS

JCSとは・・・

JCS(じぇーしーえす)とは、ジャパン・コーマ・スケール(Japan Coma Scale)の略で、日本で使用される意識障害の指標である。意識障害の分類の仕方から、3-3-9度方式とも呼ばれる。

 

【何がわかるか?】
患者の意識障害の程度が短時間で簡便に分かる。

 

【どういう時に使用するか?】
病院での医師・看護師や、病院前救護における救急隊が、患者の意識状態を評価もしくは伝達する時に、共通認識の指標として使用する。


【使い方】
意識清明であれば「JCS 0」と表記する。


意識障害がある場合、程度を大きく3段階、「Ⅰ:刺激しないでも覚醒している」「Ⅱ:刺激で覚醒するが、刺激をやめると眠り込む」「Ⅲ:刺激しても覚醒しない」(それぞれJCS 1桁、2桁、3桁と呼称)のように開眼反応を中心に分類する。

 

さらに言語反応、運動反応に応じて細かく3段階に分類し、9段階で評価する(表1)。数値が大きくなるほど意識障害の程度は重い。

 

また、不穏を“R”、糞尿失禁を“I”、自発性喪失を“A”と示して、数字の後ろにハイフンとともに付け加えて示すこともある〔例:3-R(さんのあーる)〕。


除脳硬直と除皮質硬直の区別がなく、どちらも「JCS 200」になってしまうことに留意する。

 

表1JCS(Japan Coma Scale)

JCSを表した表の画像

 


【引用・参考文献】
1)意識障害.日本救急医学会 医学用語 解説集.(2023年6月閲覧)

執筆: 寺本昇生

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター・救急部 副医長

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