最終更新日 2019/12/23

PTSD

PTSDとは・・・

PTSD(ぴーてぃーえすでぃー、Post Traumatic Stress Disorder)とは、生命を脅かすような極限的な体験に遭遇し、その体験を受け入れられず、様々な精神症状を呈する病態のことである。心的外傷後ストレス障害ともいう。

PTSDの原因となる極限的な体験としては、自然災害、拷問、レイプ、虐待などの個人的な出来事などが挙げられる。

PTSDは全ての年齢で発症するが、小児は成人よりも発症しやすく、症状が遷延する傾向があることが報告されている。

第一次世界大戦で報告された塹壕恐怖や、第二次世界大戦で報告された強制収容所症候群も本症の一種と考えられている。同様の体験をしても、全ての人に発症するわけではない点から、発症者にはもともと素因となる脆弱性が存在していると考えられている。

【症状】
数週~数ヶ月にわたる潜伏期間を経たあとに発症する。まず、外傷体験が鮮明に自分の意思とは無関係に反復して思い出されること(フラッシュバック)で、不眠、過覚醒、不安、抑うつ、社会的ひきこもりが生じる。またトラウマを引き起こすような場面を頑に回避する傾向も見受けられる。

【検査・診断】
PTSDと診断するには、この症状が1か月以上継続し、しかも社会的活動に支障が生じることが必要である。

【治療】
治療は社会的なサポートが重要である。薬物療法としては、抗うつ薬や気分安定薬等が用いられる。

執筆: 神谷侑画

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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