最終更新日 2019/02/04

自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症とは・・・

自閉スペクトラム症(じへいすぺくとらむしょう、autism spectrum disorder;ASD)とは、社会的コミュニケーションおよび対人相互性反応の障害、興味の局限、情動的・反復的行動を特徴とする発達障害のことである。

アメリカ精神医学協会のDSM-4(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition)では、広汎性発達障害を上位概念として、その元に自閉性障害、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害、小児期崩壊性障害、レット症候群などが分類されていたが、DSM-5にて広汎性発達障害は自閉スペクトラム症という概念に統一された1)~2

自閉スペクトラム症(ASD)の発症頻度は、全人口の約1~2%で報告があり、男女比は3~5:1で男性に多いとされている3)~4。自閉スペクトラム症の原因は遺伝的背景の存在が示唆されている。さまざまな遺伝子異常の報告、また、ASDの一因とされる新たな遺伝子等の発見が続いている。

【症状】
自閉スペクトラム症の症状は、3つの領域に分類される。

・コミュニケーションの障害
・対人関係・社会性における障害
・こだわり行動・興味の局限

【治療】
治療目標は最終的に社会で自立して生活することであり、そのためにどのような療育的対応を行うのか、またどのように二次障害を予防するのかが重要になる。具体的には、構造化されたプログラムやカウンセリングなどの心理社会的治療、攻撃行動や興奮性などが見られる場合には、薬物療法が行われる5

 

引用参考文献
1)総務省行政評価局.“発達障害者支援に関する行政評価・監視 結果報告書”.総務省.
2)American Psychiatric Association.“Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders: Dsm-5”.第5版,Amer Psychiatric Pub Inc,2013,992 p.(ISBN9780890425558)
3)橋本俊顕.“自閉症スペクトラム(障害)の展望”.徳島赤十字病院.
4)竹内芳朗.“発達障害「自閉スペクトラム症」解明進む…セロトニン減少、発症に関与か”.yomiDr..読売新聞.
5)傳田健三.特集/心身医学の臨床における発達障害特性の理解 自閉スペクトラム症(ASD)の特性理解.心身医学.57 巻,1号,2017,19-26.

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー

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