最終更新日 2018/07/23

寒冷蕁麻疹

寒冷蕁麻疹とは・・・

寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん、cold urticaria)とは、寒冷に曝露され膨疹が出現する物理性蕁麻疹のことである。なお、掻痒感を伴い、限局性・一過性の皮膚の浮腫(膨疹)を生ずる疾患を蕁麻疹という。

【症状】
寒冷蕁麻疹は寒風、雨、雪、冷水に曝露した数分後に掻痒性膨疹を生じる。特に、特発性後天性のものでは、IgE抗体と肥満細胞による反応によって膨疹が出現し、他の蕁麻疹の病因と同一であることが分かっている。
寒冷蕁麻疹は局所性と全身性があり、前者は皮膚局所が冷却されたときに、その部位に一致して生じる蕁麻疹であるのに対し、後者は全身が冷却されたときに、全身の皮膚にコリン性蕁麻疹に似た小豆大前後の紅斑と膨疹を生じる。

【治療】
治療としては抗ヒスタミン薬の有効性が確認されている。また、寒冷負荷を加えることで耐性を獲得できるとの報告がある。

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー

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