最終更新日 2018/03/08

aVR

aVRとは・・・

aVR(えーぶいあーる)とは、12誘導心電図において四肢誘導から得られる波形の1つである。

aVRは心臓から右上肢へ向かう電気活動を正の波形として記録する。通常心臓の電気活動は右心房から左心室の方向、つまり右上肢から左下肢へ向かう方向へ流れるため、aVRのR波は振幅が低いかほぼ認めない。そのため、aVR誘導はあまり注目されないが、aVR誘導でSTが上昇している場合、広範な心筋梗塞の可能性があるので注意が必要である。注意すべき変化には下記のようなものがある。
・非ST上昇型心筋梗塞
aVR誘導でST上昇を認めても、他の誘導でST上昇を認めない。
・左室心内膜側の非貫壁性虚血
左主幹部や三枝に高度の狭窄を認める例では、広範なST低下に加えて、aVR誘導のST上昇を認める。
・ST上昇型心筋梗塞
左室心基部の貫壁性虚血を反映し、左主幹部が閉塞している例では、aVR誘導のST上昇を伴う。

執筆: 小森大輝

順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学大学院生

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