最終更新日 2018/05/31

バイトブロック

バイトブロックとは・・・

バイトブロック(ばいとぶろっく、bite block)とは、気管挿管・人工呼吸管理中の患者が気管チューブを噛んでチューブを閉塞させてしまわないための医療器具である。 全身麻酔時の患者や集中治療室の患者に用いられる。
気管チューブは柔らかい素材で作られているため、で噛みつぶすことができる。そのため、歯で噛むことでチューブが閉塞・破損につながる恐れがある。

【使用目的】
患者が麻酔から覚醒した際、チューブの違和感で歯をくいしばることが多い。このときにバイトブロックがないとチューブが閉塞して呼吸が障害される。呼吸が障害されると、さらに力を込めて歯をくいしばることで悪循環に陥る。上気道が閉塞された状態で過度の吸気努力をすると、胸腔内が非常に強い陰圧になるため、陰圧性肺水腫を引き起こす危険性もある。吸気努力が強い若く強靭な男性ほど、抜管後に陰圧性肺水腫を起こすリスクが高まる。
そこで、噛みつぶすことができない硬さのバイトブロックを使用することで、これらのリスクを軽減させることができる。またバイトブロックを使用することで気管チューブの位置ずれも防止できる。 

【構造】
バイトブロックは一般的に外管と内管が一体化された構造で外管にフランジ(ツバ・サヤ)が付いていて、フランジには凹みがついている。固定する際はフランジの凹部に気管チューブを合わせ、フランジ上部を上唇と上顎歯の間に、フランジ下部を下唇と下顎歯の間に当てる。本体を上下の切歯で噛ませ、気管チューブとともに口角に固定する。

【注意点】
バイトブロックを使用すると口腔内潰瘍のリスクが高まるため、注意が必要である。

執筆: 江角 亮

三重大学医学部附属病院 救命救急センター医員

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