眼球突出度検査|眼科の検査

『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、眼球突出度検査について解説します。

 

高木 康
昭和大学医学部教授

 

〈目次〉

眼球突出度検査とはどんな検査か

正常日本人の眼球突出度は10〜15mmである。3mm以上の左右差は病的である。

 

一般に片眼性の眼球突出は眼窩内病変、両眼性の場合には全身疾患によることが多い。

 

検査は被検者の後方に立ち、頭上から顔面を見下ろして眼球突出の有無を判定し、ヘルテル眼球突出計を用いて突出度を測定する。

 

眼球突出度検査の目的

眼球突出の程度を定量的に表す。

 

表1眼球突出の鑑別診断

眼球突出の鑑別診断

 

表2眼球突出の鑑別診断(年齢別)

眼球突出の鑑別診断(年齢別)

 

眼球突出度検査の実際

  1. 被検者の後方に立ち、頭上から顔面を見下ろして眼球突出の有無を判定する。
  2. 眼球位置異常の有無を判定する。
  3. ヘルテル眼球突出計を用いて測定する。
  4. 眼窩外側縁の皮膚面を結んだ線から、角膜頂点までの高さを計測する。
  5. 被検者と対面して座り、ヘルテル眼球突出計を両眼窩外側縁に当て、数値を読む。

 

眼球突出度検査時の看護

  1. 眼球の突出度を測定する検査であることを説明する。
  2. 肉体的な負担、痛みなどは伴わず、短時間で測定できることを説明する。
  3. 必要時、被検者の後頭部を後方より支える。

<準備するもの>

 

ヘルテル眼球突出度計

 

眼球突出度検査において注意すべきこと

  • 突出計が眼窩外側縁にしっかり接触していることを確認する。
  • 眼窩外側縁距離を記録しておき、次回眼球突出度測定時も、同じ眼窩外側縁距離で行うようにする。

 

眼球突出度検査に関する患者との問答例

これから眼球の突出度検査をします。

 

どのような検査ですか。

 

眼球がどれくらい前方に突き出しているかを測る検査で、目の前に定規のような物を置いて測ります。

 

時間がかかるのですか。

 

時間はかかりません。すぐに終わりますし、痛みもありません。

 

分かりました。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版

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