最推しの卒コンに行けなかったハロオタが、号泣の末ある決断をした話|ナースの推し事(4)

 

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この連載では、さまざまな「推し」と一緒に日々を乗り切るナースに、推しのいる日常や、推しに救われた経験をインタビューしていきます。

 

第4回に登場してくれたのは、ハロー!プロジェクトが大好きだというネネさん(仮名)。

なんでも、最推しの卒業コンサート(卒コン)に行けなかったのがつらすぎて、あることを決断したそう。

 

ネネさんの決断とは何だったのか? 生粋のオタク気質である筆者が、じっくりお話を伺ってきました!

 

取材・文/於ありさ(ライター)

推しが卒業してもハロプロが大好き! ネネさんの推し活スタイル

――本日はよろしくお願いします!まずはネネさんのプロフィールと推しを教えてください。

 

看護師5年目です。保育園の看護師として働いていますが、現在は育休中です。

 

高校生の頃からハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)が大好きです。推しは工藤遥ちゃん(※)だったのですが、彼女が卒業してからは、ハロプロ全体を推しています。

 

※工藤遥…モーニング娘。の元メンバー。2011年に10期メンバーとして加入し、2017年に卒業。

 

――ネネさんがハロプロにハマったきっかけを教えてください。

 

きっかけは、2009年に発売されたモーニング娘。のシングル、「気まぐれプリンセス」のミュージックビデオを見たことですね。田中れいなさんを見て沼に落ちました! 当時、全盛期だった℃-uteや、Berryz工房も好きでしたね。

 

そして2011年に、モーニング娘。10期メンバーとして工藤遥ちゃんが入ってきて、まんまと落ちて(笑)。そこからはモーニング娘。にハマっていきました。

 

――工藤さんの魅力は何でしょう?

 

見た目はかわいらしいのに、声がハスキーで…そのギャップが最高なんです。

 

はるちゃん(工藤遥さん)の歌声を聴いている時間が、至福のひと時です。

 

――工藤さんは2017年に卒業されていますが、それ以降の推しメンは?

 

うーん…好きかも!って思ったメンバーが次々に卒業してしまって、なかなか「推し」ってほどの子には出会えてないですね。

 

――それは切ない…。推しがいないとなると、今はどんな感じで応援しているんですか?

 

ハロプロはメンバーが一気に入れ替わる時期も定期的に来るので、今はそういう時期なのかなって思いながら応援しています。

 

特定のメンバーを推しているわけではないけど、モーニング娘。は、グループとしてのチームワークが好きなので、彼女たちのことはずっと見ていますね。

 

なかでもメンバーの仲良し感という意味で、今は2016年に加入した加賀楓ちゃんと横山玲奈ちゃんの13期コンビに夢中です。境遇も性格も背格好も全然違う凸凹感もそうですけど、同期だからこそ、お互いにしか見せない顔があって、それが最高なんですよ!

 

推しの卒コンに行けず号泣…! 涙の末の決断とは?

――ハロプロの現場って、コンサートやリリースイベント、握手会などいろいろありますが、どのくらいの頻度で行かれていましたか?

 

コロナ前は、1年に3~4回程度ですかね。現場にたくさん行くより、CDで音源を聴くタイプなので、そこまで多くはないと思います。

 

はるちゃん(工藤遥さん)が卒業してからは、はるちゃんが出演している舞台に行くこともありました。

 

2016年、モーニング娘。’16メンバーの鈴木香音さんの卒コンのグッズ。鈴木さん(左)と工藤さん(右)の生写真もしっかりゲット

 

でも、実は私、最推しのはるちゃんの卒コンに行けなかったんです……!

 

――えっ⁉ それはお仕事でですか?

 

そうなんです。新卒で入った病院が、希望休を取りづらい職場で…

 

「卒コンだけは、どうしても行きたいんです!」ってジャニオタのプリセプターさんに相談したのですが、「運良く、明けか休みであることを願うしかないね…」と言われてしまいました。怖いと評判の師長さんに直談判する勇気もなく…。
 

――つらすぎる…。

 

卒コンの当日は日勤だったのですが、朝からずっと上の空でしたね。ニュースやTwitterを見て情報収集して、帰ってからは夜通し泣いて、翌日泣き腫らした目で日勤に行きました。

 

はるちゃんの卒業に立ち会えなかったのがあまりにもつらくて、この日に「休みが取れない職場では働いていられない、転職しよう」と決めたんです。

 

――大事な日に休みを取りづらいのは…つらいですもんね。

 

はい。泣きながら「何のために働いてるんだっけ」って考えたのですが、生活はもちろんだけど、やっぱり推しのためなんですよ。だから、自分にとって大切な日も休みを取りづらいのはきついなって。

 

それができる職場に転職しようと思って、2年目の終わりに今の保育園に転職しました。

 

――今働いている保育園は、どのような勤務体制でしょうか?

 

一般の会社員の方と同じく、平日出勤の土日休みです。勤務時間も朝8時半~17時半。有給休暇が取りやすくて、時間休も取れます

 

2018年には、1時間早く上がって、モーニング娘。’18の尾形春水ちゃんの卒コンにも行けました!

 

2018年、無事に転職を果たし、モーニング娘。’18尾形春水さんの卒コンへ!右がネネさん、左は高校の同級生のオタ友さん

 

――今の職場の人は、ネネさんがハロオタなことを知っているのでしょうか?

 

みんな知っています。好きなものを言い合う流れで、ハロプロが好きって話をしました。

 

同じハロオタの人はいないんですけど、上司が地下アイドルのオタクだったり、ジャニーズやいろんなジャンルのオタクの同僚がいるので、理解がすごいんですよね。「現場に行きたい」と言うと、「いつ?休み取りなよ!」って。

 

――オタクにとって、最高の職場じゃないですか…!

 

そうなんです! オタクが多いからこそ、行きたいときに行けるように、お互い協力し合う体制なんですよね。休むときに「ごめんなさい…」と謝る必要もなく、「コンサート行ってくるんで!」って休める感じです。

 

仕事も楽しいし、推し活もできるし、新規開園のタイミングで入ったこともあって、上下関係がなく…。本当にいい職場に転職できて、よかったなあって思います。

 

ハロプロの存在そのものに救われてる! 推しに癒されながら日々を乗り切る

――看護師をしている中で、オタクでよかったなあと思うことはありますか?

 

仕事だけでなく、育児をしているときにも感じるのですが…ハロプロの存在そのものに救われています

 

私、疲れ過ぎちゃうと何もできなくなるタイプなんですよね。でも、そういうときにメンバー同士の掛け合いを見ると癒されるし、ハロプロの音楽を聴くと「明日も頑張ろう!」って思えるんです。

 

――推しから力をもらうというよりも、癒しをもらうタイプなんですね。

 

はい! 疲れている時に、動物の動画を見て癒やされている人と同じくらい、アイドルの動画を見ているタイプだと思っています(笑)。

 

コロナで行けなかったライブのBlu-ray。アイドルたちのひたむきに輝く姿に、いつも元気をもらっているそう

 

――ネネさんは、CDやDVDで楽曲を聴くことも好きだとおっしゃっていましたが、楽曲の魅力について教えてください。

 

グループそれぞれのカラーが全然違うから、気分によって聴き分けられるんですよね。

 

強い女になりたい気分のときはモーニング娘。かアンジュルム、恋する乙女の気持ちになりたいときはつばきファクトリー…みたいな!

 

――なるほど! ハロプロ内にたくさんのグループがあるからこその楽しみ方ですね。

 

あと、個々のグループの特色が全部違うからこそ、同じ楽曲を歌っても、聴こえ方が全然違うんですよ。

 

グループだけでなく、一人一人を見ても、声質や歌い方、アクセントの付け方、リズムの取り方まで全部違うんです。同じ曲でも歌う人が違うと、全然違う印象になるから、目を離せません!

 

――かなり細かいところまで見ていらっしゃる…! そもそもですが、ネネさんにとって、今のハロプロの魅力って、どんなところなんでしょうか?
 

全盛期のハロプロが作り上げた、ハロプロならではの特色に憧れた女の子たちが加入して、切磋琢磨して成長していく、パフォーマンスを作り上げていくっていうところだと思います。

 

偉大な先輩たちに憧れた子たちが、先輩たちをリスペクトしながら成長していく姿を見ると、応援したくなっちゃいますね。

 

――なるほど…。ハロプロの特色を受け継ぎ、その高みを目指しながら、新しいグループや楽曲が生まれていくのですね。

 

現場は動きやすさ重視!限られたお金と時間で推し活を楽しむ

――現場に行くときのこだわりがあれば教えてください。

 

とにかく動きやすさ重視ですね。会場に入ったら、自分はパフォーマンスを盛り上げる一部なので、推しが最高のパフォーマンスをできるように全力で応援したいんです。

 

ハロプロの現場って、推しを応援するために、振りコピみたいなことをしたり、コールをしたりするオタクが多いんです。数年前に禁止になりましたが、推しのソロパートで激しいジャンプをする人とかもいたりで。

 

――ファンサがほしいとか、推しにアピールしたいとかではないんですね。

 

そうですね。何か反応してほしいというより、ただただ応援したい、っていう感じです。

 

コロナ禍以降、事務所はコンサートでも感染対策を徹底していて、発声禁止だったり、客席数も減らしたりと、さまざまな対応をとっています。

 

私も、我慢してはいるもののどうしても現地で歌を聴きたくて、コンサートに行くこともあります。ただ、コロナ前と違ってコールもないですし、ペンラを振っているだけなのは少し寂しいです。

 

2018年秋、アンジュルムのコンサートツアー「電光石火」参戦時。ペンラとリストバンドで全力応援し、銀テープもゲット

 

――推しの工藤遥さんが卒業されてからは、ハロプロ全体を推しているとのことですが、推し活ポリシーがあれば教えてください。

 

限られた時間とお金の中で、どう割り振るかですね。

 

私はハロプロのほかに、アニメも好きなので、そっちにお金や時間をかけているときは、ハロプロの方は抑え目にしています。できる範囲で無理なく応援したいと思っているので、CDやグッズを大量に買うことはないですね。

 

――お金と時間のバランスって、大切ですよね。

 

ハロプロはテレビなどの露出も少ないし、今のメンバーたちはまだまだ知名度も低いから、たまに「このままの応援の仕方で、本当に良いのだろうか?」と思うときもあります

 

でも、単純に楽曲やメンバーが好きな私としては、心地よく応援できているなって感じています。

 

おかげでコロナ禍になってからも、まったくモチベーションは落ちていないですね。Blu-rayを買って見たり、配信を見たり、SNSの画像を見て癒されたりしながら、「頑張ろう!」って思えています!

 

――最後にネネさんにとって、ハロー!プロジェクトはどんな存在でしょう?

 

部活を応援している感覚に近いですね。私の中では、メンバーの成長過程を、部活動のように感じていて。

 

10代前半で加入して、先輩になれば教育係として後輩を育てる立場になる。卒業する頃には、加入当初の面影がないくらいにアーティストとして成長して、次へのステップへ向かっていくんです。

 

ハロプロという部活に憧れて入って、一人のアイドルとしても成長して。グループとしても、歴代の先輩たちを『今のメンバーで超えよう』と努力する姿を見ると応援したくなっちゃうし、成長を見守っていたいと思うんですよね。

 

これからも、たくさんのハロプロのメンバーたちに、癒やされたり元気をもらったりしながら、仕事も育児も頑張ろうと思います!

 

ご自宅のグッズの一部。10年以上応援し続けているネネさんだからこそ持っている、貴重なグッズもたくさんあります

 

私自身、小さい頃からいろんなアイドルを応援してきたのですが、アイドルという同じジャンルでもグループや事務所によって魅力も推し方も、全然違うんだなと考えさせられた今回の取材。

 

ネネさんが、熱量高くハロプロの魅力を語ってくれたこともあり、取材後、思わず楽曲を検索してしまいました。

 

新たな沼にハマりそうにはなりましたが、「限られた時間とお金の中で、どう割り振るか」というネネさんの言葉を胸に刻み、私も無理なく純粋な心で楽しめるように、推し活していきたいなと思います!

 

執筆

ライター於ありさ

エンタメ系のインタビューライター。Walkerplus・テレビジョン・マイナビなどで執筆中。サンリオ/男性アイドル/ラジオ/テレビ/お笑いなど多方面のオタク。

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イラスト

イラストレーターあさなさくま

漫画家・イラストレーター。日常をコミカルに描いたコミックエッセイや、ポップなイラストレーションを発表。アパレル出身ならではのリアルなファッション描写を持ち味としている。

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