間脳のしくみとはたらき

『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』より転載。
今回は間脳の解剖生理について解説します。

 

剱持雄二
東海大学医学部付属八王子病院看護部主任 集中ケア認定看護師

 

 

視床、視床下部、松果体、脳下垂体

間脳は視床、視床下部、松果体、脳下垂体から構成されています(図1)。

 

  • 視床:全身の感覚、視覚、聴覚などの情報を認識し、大脳皮質、大脳基底核に伝達しています。
  • 視床下部:自律神経系の中枢です。体温調節、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠など本能行動および怒りや不安などの情動行動を調節します。内分泌ホルモン系の中枢も担っており、尿量の調節、子宮収縮、乳汁分泌なども司っています。
  • 松果体概日リズムを調節するホルモンや、メラトニンを分泌しています。
  • 脳下垂体:ホルモンを分泌する本管で、前葉と後葉に分かれ、それぞれから異なるホルモンが分泌されます。(図2表1表2

 

memo:概日リズム

睡眠は1日を単位とするリズム現象であって、脳内に存在する生物時計に管理されている。これを概日リズムと呼ぶ。
夜になると眠くなるのは体内時計機構が働いているからで、疲れていなくても、いつもの就寝時刻になると眠くなる。

memo:メラトニン

眼などから入った光の信号は、視神経 → 視交叉上核 → 上頸神経節 → 松果体へと達する。松果体では、睡眠を促すホルモン物質「メラトニン」が産出され、光を感知すると、その分泌が抑制される。夕方~夜になるとメラトニンの分泌が始まり、やがて全身の臓器に行き渡って睡眠をとる。

 

図1間脳の構造

図1間脳の構造

★1 下垂体腺腫
★2 下垂体性巨人症
★3 先端巨大症
★4 クッシング病

 

図2脳下垂体の構造

図2脳下垂体の構造

 

表1下垂体前葉ホルモン

表1下垂体前葉ホルモン

★1 GH(growth hormone)
★2 TSH(thyroid-stimulating hormone)
★3 ACTH(adrenocorticotropic hormone)
★4 FSH(follicle stimulating hormone)
★5 LH(luteinizing hormone)
★6 PRL(Prolactin)

 

memo:成長ホルモン豆知識

骨が長くなることで身長が伸びる。成人になると身長が伸びなくなるのは、骨の先端に存在していた軟骨組織がなくなるためである。

memo:黄体刺激ホルモン豆知識

動物の場合ではプロラクチンの作用によって、黄体ホルモンの分泌が促される。しかし、ヒトの場合では黄体ホルモンの分泌は黄体形成ホルモンがその役割を果たすため、黄体ホルモンの分泌促進に関してプロラクチンは必ずしも必要ない。

 

表2下垂体後葉ホルモン

表2下垂体後葉ホルモン

 

memo:尿崩症

抗利尿ホルモンのはたらきが弱まると尿崩症を発症する。
尿の生成の際に水の再吸収がうまくはたらかなくなる病気であり、尿の量が1日に10Lになることもある。

 

 

 


本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社

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