消毒用綿球を渡す際、相手の鑷子より高い位置で渡すのはなぜ?|無菌操作

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は消毒用綿球を渡す際のQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

消毒用綿球を渡す際、相手の鑷子より高い位置で渡すのはなぜ?

消毒用綿球(めんきゅう)を鑷子で受け渡す場合、相手の鑷子より高い位置で渡すのは、不潔になる可能性を極力避けるためです。

 

消毒用綿球を受け渡す場面とは、介助者が消毒用綿球を容器から取り上げ、術者の鑷子に受け渡すようなことが多いものです。この場合、介助者の鑷子は無菌操作で消毒用綿球を取り上げていますが、術者の鑷子は患者の創傷に直接触れる可能性があるため、不潔物として扱わなければなりません。

 

無菌操作では、滅菌物の上を不潔なものが通らないようにするという原則がありますので、介助者の清潔な鑷子が上方に来るような位置を取ります。

 

相手が受け取りやすいように、鑷子で消毒用綿球の端を持って渡すことも大事なことです。もし、汚染されている可能性のある相手の鑷子に触れてしまった場合は、介助者の鑷子を新しいものに取り替えます。

 

綿球の受け渡し

鑷子で綿球を扱う場合は、位置関係に注意を払う必要があります。脇を開いて鑷子の先が上方を向かないように持ち、相手に受け渡す場合は介助者が上方に、受け取る側が下方になるような位置取りをします。

 

図1綿球の受け渡し

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ