各バイタルサインが変動するのはなぜ?
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「バイタルサインの変動」に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
各バイタルサインが変動するのはなぜ?
バイタルサインは生命徴候を示すので、患者の置かれた状態によって数値が変動するのは当然です。
たとえば、体温の場合、体内では常に熱の産生と放散のバランスが調節されて体温は一定に保たれますが、バランス状態によって上昇したり、下降したりします。
熱の産生は、基礎代謝、運動代謝、甲状腺ホルモンによる新陳代謝などの化学反応によって起こり、熱の放散は輻射、伝導、対流、蒸発などによって起こります。
血圧は年齢や性別により、また計測時の体位、疼痛、飲食、運動、精神的興奮、飲酒・喫煙、気温などによっても変化します。
脈拍の変化は、激しい運動や体温の上昇などによって起こります。
また、脈の大きさは1回拍出量によって変化し、心臓衰弱などで1回拍出量が少なくなると拍動が小さくなります。
MEMOバイタルサインの変動因子
入浴、排泄、食事、運動など、バイタルサインに微妙な影響を及ぼす可能性のある要因を、バイタルサインの変動因子といいます。気候、寝具の状態、不安、動揺、喜怒哀楽なども変動因子になります。正確に測定するためには、運動や食事の直後を避け、精神的に安定しているときに行うようにします。
※編集部注※
当記事は、2018年10月6日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版


