リザーバーマスクを選択するときはどんなときですか?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は酸素吸入に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

リザーバーマスクを選択するときはどんなときですか?

 

リザーバーマスクの適応は高濃度酸素療法を必要とする場合に適応になります。

 

〈目次〉

 

酸素吸入装置の種類

大気中よりも高濃度の酸素を供給する酸素療法には、①鼻カニューレによる供給法、②酸素マスクによる供給法、③ベンチュリーマスクによる供給法、④リザーバ・バッグ付きマスク(リザーバーマスク)による供給法などがあります。

 

酸素吸入装置について

酸素が必要な患者さんは、酸素吸入によって、空気中の酸素濃度21%より高い濃度の供給が求められる状態にあります。酸素濃度が医師の指示どおりに流されていることだけではなく、患者さんに必要量の酸素吸入がされているかを観ていくことが大切です。

 

たとえば閉により口で呼吸をしているのに、鼻カニューレで酸素供給をしていては、必要量の酸素が供給されていることにはなりません。また吸入酸素濃度(FiO2)は、呼吸が浅くないか、鼻呼吸できているか、意識レベルの低下はないかといった自発呼吸の吸気に影響されています。

 

患者さんの状態によって、酸素吸入の器具は使い分けられます(表1)。酸素吸入をしていても患者さんの日常生活ができるだけ過ごしやすいようADLやQOLを高める援助をしていきましょう。

 

表1酸素吸入装置の種類とその特徴

1酸素吸入装置の種類とその特徴

 

リザーバーマスクの適応

リザーバーマスクの適応は高濃度酸素療法を必要とする場合に適応になります。

 

高い吸気酸素分圧を得るためにリザーバーとよばれる酸素貯留のためのバッグを付けたものをリザーバー付きマスク(リザーバーマスク)とよんでおり、さらに二酸化炭素の再吸入を防ぐために一方弁を付けたものがあります。

 

リザーバー付きマスク使用時の注意としては、リザーバーが膨らんでいる状態を確認する必要があり、その他にCO2ナルコーシスのチェックが必要となります。

 

①の鼻カニューレを使用する場合は、5L/分以下までの低流量の酸素を投与する場合にかぎられ、これ以上の流量では酸素ガスによる鼻粘膜の乾燥が起こってしまいます。

 

③のベンチュリーマスクではベンチュリー管を酸素が流れるときに生じるジェット流周囲の陰圧状態を利用して、周囲の大気を取り込み、その量によって任意の酸素濃度を吸入することが可能となります。またネブライザー付きベンチュリーマスクでは加湿効果も期待することができます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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