胸膜と横隔膜|からだずかん【20】

『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(KADOKAWA)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は2章『呼吸器系』より、「胸膜と横隔膜」について解説します。

 

著:角野ふち
 

 

胸膜と横隔膜

肺は、入り口部分の肺門部(はいもんぶ)を除いて胸膜(きょうまく)という2重の漿膜(しょうまく)で覆われています。

 

肺と胸壁の間にある胸膜の構造を解説するイラスト。肺(肺胞)に近い内側から順に、臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)、胸膜腔(きょうまくくう)、壁側胸膜(へきそくきょうまく)の層に分かれており、臓側と壁側の胸膜を合わせて「胸膜」と呼ぶことが示されています。そのさらに外側には肋骨と肋間筋が位置しています。胸膜腔には少量の胸水が含まれており、摩擦をなくす役割がある一方で、「たまるとキケン」という注意書きが添えられています。

 

胸腔と胸膜腔

胸腔と胸膜腔の概念を解説するイラスト。左側には肋骨と横隔膜で構成される「胸郭」が描かれ、中央の図ではその内部空間のすべてを指す「胸腔(縦隔と胸膜腔を含む)」が示されています。右側の図では、肺を包む「胸膜腔」がクローズアップされており、「胸膜腔の中は陰圧(大気圧より圧力が低い)」であること、空気は圧が高い方から低い方へ移動する原理、そして「臨床では胸腔はこの胸膜腔を指すことが多い」という実務上の注意点が解説されています。

 

横隔膜

肺のすぐ下に接している筋肉です。形はドーム状で、上に向かって凸状。

吸息時に収縮し、呼息時に弛緩します。

 

呼吸の仕組みと呼吸筋を説明するイラスト。肺と横隔膜が描かれた正面図、横隔膜を下から見た「大動脈裂孔」「大静脈裂孔」「食道裂孔」の図、吸気時に横隔膜が下がり胸腔が広がる様子を示す断面図が含まれています。また、呼吸筋の分類として、吸息筋(横隔膜、外肋間筋、胸鎖乳突筋、斜角筋など)と呼息筋(内肋間筋、外腹斜筋、腹直筋など)が書かれています。

 

また、肺は筋肉(呼吸筋(こきゅうきん))がはたらき骨(胸郭(きょうかく))が動かされることによって伸縮することができます。

主に横隔膜(おうかくまく)の収縮で行う呼吸を腹式呼吸、肋間筋(ろっかんきん)の収縮で行う呼吸を胸式呼吸、両方つかう呼吸を胸腹式呼吸とよびます。

 

 

[出典] 『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』 (著者)角野ふち (監修)嵯峨 堅、能間 国光/2024年5月刊行/株式会社KADOKAWA

 

著者プロフィール
角野ふちプロフィール

角野ふち(XInstagram

看護師、保健師、イラストレーター。

 

人のからだをかわいくポップなイラストで解説するコンテンツ『からだずかん』を、SNSやWebサイトで発信。

イラストを手がけた書籍に『薬メモ!』(大田和季著・じほう)、『みんなの救命救急科』(三谷雄己著・中外医学社)など。

日本メディカルイラストレーション学会会員。

 

webサイト: からだずかん
ショップ: ぞーきーず

 

 

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