心膜|からだずかん【9】

『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(KADOKAWA)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は1章『循環器系』より、「心膜」について解説します。

 

著:角野ふち
 

 

心膜 Pericardium

心臓の周囲は心囊(しんのう)という心膜(しんまく)でできた袋に覆われています。

この 2 層の心膜でつくられる空間を心膜腔といいます。

 

心膜は内側と外側の 2 層で大きくつくりが分かれています。

内側は袋状の漿膜性(しょうまくせい)心膜、外側は線維性心膜といいます。

内側はひとつなぎのつくりとなっており水風船を押しつぶしているようなイメージです。

まとめて心囊と呼ばれています。

 

心臓の壁の構造を解説するイラスト。心臓の内側から外側に向かって、心内膜、心筋、臓側心膜、心膜腔(すきま)、壁側心膜、線維性心膜の層に分かれている。弁は心内膜がヒダ状に出たもの。臓側心膜と壁側心膜を合わせて漿膜性心膜と呼ぶ。さらに外側の線維性心膜を含めて「心嚢(しんのう)」と呼ぶ。

 

漿膜性心膜

心膜の構造を水風船に例えて解説するイラスト。拳(心臓)を水風船に押し込んだようなイメージで、心臓に密着する内側を「臓側心膜」、外側を「壁側心膜」と呼び、これらを合わせて「漿膜性心膜」と定義しています。その間の「心膜腔」には15〜30mlの漿液(心嚢液)が入っており、摩擦を少なくして拍動しやすく、よく伸びる作りであることが図解されています。また、これらの膜は心基部でひとつなぎになっているというポイントが記されています。

 

深堀り:心膜の位置関係

漿膜性心膜は、大動脈(だいどうみゃく)などが出入りする心基部(しんきぶ)で折りかえし、ひとつながりとなっています。

この位置を境に臓側板と壁側板に分けてよばれます。

 

そして、さらにその外側に線維性心膜がかぶさったようなつくりです。

線維性心膜は、横隔膜(おうかくまく)にくっつき固定されています。

複雑なつくりですが、心臓が常にどくんどくんと拍動しやすい構造といえます。

 

正中矢状断でみる心膜

•	心臓の断面と周囲の臓器の位置関係を示す解剖図のイラスト。左心房、左心室、大動脈弁、上行大動脈の断面が描かれ、腹側(前面)には心外膜(臓側心膜)と壁側心膜があり、それらが上部で折り返してつながっている様子が示されています。心臓の下部は横隔膜に接しており、外側の線維性心膜がぴったりと固定されていることが解説されています。背側(背面)には気管や右肺動脈が位置しており、心膜の層構造(漿膜性心膜と線維性心膜を合わせた心嚢)が色分けで表現されています。

 

 

[出典] 『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』 (著者)角野ふち (監修)嵯峨 堅、能間 国光/2024年5月刊行/株式会社KADOKAWA

 

著者プロフィール
角野ふちプロフィール

角野ふちXInstagram

看護師、保健師、イラストレーター。

 

人のからだをかわいくポップなイラストで解説するコンテンツ『からだずかん』を、SNSやWebサイトで発信。

イラストを手がけた書籍に『薬メモ!』(大田和季著・じほう)、『みんなの救命救急科』(三谷雄己著・中外医学社)など。

日本メディカルイラストレーション学会会員。

 

webサイト: からだずかん
ショップ: ぞーきーず

 

 

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