ACLS
『ICU看護実践マニュアル』(サイオ出版)より転載。
今回は、「ACLS」について解説します。
市立青梅総合医療センター
看護副師長・クリティカルケア特定認定看護師
市立青梅総合医療センター
看護主任・救急看護認定看護師
- チームダイナミクス(チームメンバーが共通の目標をめざして協力していく)を意識しよう。
ACLS(二次救命処置)
BLSのみで自己心拍再開が得られない場合は、ACLS (Advanced cardiovascular life support) が必要となる(図1)。
図1ACLS のアルゴリズム

(AHA:ACLSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2020準拠,p.117,シナジー ,2021、JRC蘇生ガイドライン2020,オンライン版,成人の一次救命処置(BLS),p.8~9より改変)
絶え間のない胸骨圧迫、質の高いCPRを実施することは、ACLSが成功するための条件となる。
ACLSにおいても胸骨圧迫の中断はできるだけ避けるべきである。
やむを得ず胸骨圧迫を中断するのは人工呼吸を行うとき、電気ショックを実施するときのみとする。
静脈内と骨髄内薬物投与
CPRを実施しながら、すみやかに第一選択として末梢静脈路を確保する。静脈路確保が難しい場合や静脈路確保に時間を要する場合には骨髄路を選択する。
血管収縮薬
アドレナリンは1回1mgを静脈内投与し、3~5分間隔で追加投与する(当院では4分ごとに投与)。
ショック非適応リズムの心停止ではアドレナリンを投与する場合、できるだけすみやかに投与する。
抗不整脈薬
電気ショックで停止しない難治性のVF/無脈性のVT、あるいはVF/無脈性VTが再発する場合は、アミオダロン300mg静脈内投与とする。
気管挿管による気道確保
気管挿管を行う場合も、胸骨圧迫の中断時間は可能なかぎり短くする。
CPR中の気管チューブの位置確認には、身体所見に加えて、可能であれば波形表示のある呼気CO2モニターを用いる。
また、呼気CO2の継続的な測定は、CPRの質を向上するために有効な可能性がある。
気管挿管後の胸骨圧迫と人工呼吸
気管挿管後は胸骨圧迫と人工呼吸は非同期として、連続した胸骨圧迫を行う。
胸骨圧迫は1分間に100~120回のテンポで行い、人工呼吸は1分間に約10回として過換気を避ける。
チームダイナミクス
質の高いCPR、チーム一丸となって蘇生という目標に向かって活動するためにはチームダイナミクスを意識することが大切である。
病院用COVID-19対応蘇生法の要点
COVID-19に対する新たなエビデンスの集積や、SARS-CoV-2の変異、ワクチンの実用化は新たな治療法の開発や社会の変化などによって変更されるかもしれないことに留意する。
Defibrillation AED/除細動器装着
- エアロゾル感染防護の準備ができずCPRを開始できない場合にはまずAED/除細動器を装着
- 適応あれば電気ショックを先に行ってよい
PPE エアロゾル対応 PPEの着用
- N95以上のマスク
- 眼の保護具
- 手袋
- 液体非透過性ガウンまたはエプロン
Airway seal 気道の密閉(エアロゾルの拡散防止)
- BVMにウイルス防護力が十分に備わったフィルターを装着
- 両手法で確実に密閉
Circulation 胸骨圧迫
- エアロゾル感染防護(エアロゾル対応PPE着用および気道の密閉)を実施したうえで胸骨圧迫
Breathing 技能と状態に応じた陽圧換気
- BVM換気
- 気管挿管
COVID-19:新型コロナウイルス感染症、AED:自動体外式除細動器、PPE:個人防護具、CPR:心肺蘇生、APR:電動ファン付呼吸保護具、 BVM:バッグ・バルブ・マスク、HEPA フィルター:高効率微粒子エア・フィルター、HMEフィルター:湿熱交換器フィルター
1 )AHAACLS プロバイダーマニュアル ,AHA ガイドライン2020準拠 , シナジー,2021
2 )AHA(アメリカ心臓協会):CPR および ECC のガイドライン, ハイライト,https://cpr.heart.org/-/media/CPR-Files/CPR-Guidelines-Files/Highlights/Hghlghts_2020ECCGuidelines_Japanese.pdf
3 )日本蘇生協議会:JRC 蘇生ガイドライン2020,オンライン版,成人の一次救命処置(BLS),https://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2021/03/BLSonlinever1.4-2.pdf
4 )日本蘇生協議会:JRC 蘇生ガイドライン2020,オンライン版,成人の二次救命処置,https://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2021/04/ALSonlinever 1 -1.pdf
5 )日本蘇生協議会:病院における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応救急蘇生法マニュアルおよびアルゴリズム図説、https://www.japanresuscitationcouncil.org/inhos-cov19-manual/2021年11月11日検索、一部改変
本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『ICU看護実践マニュアル』 監修/肥留川賢一 編著/剱持 雄二 サイオ出版


