眼のケア|ICU看護実践マニュアル
『ICU看護実践マニュアル』(サイオ出版)より転載。
今回は、「眼のケア」について解説します。
東京医療保健大学大学院 看護学研究科(修士課程)
市立青梅総合医療センター 救命救急センター 院内ICU 看護主任
Key point
- 重症患者の眼のケアの手順を理解する。
- 主な対象となるのは重症の成人患者である。
評価
入院後2時間以内に行う。その後は少なくとも12時間ごとに行う。
留意点:眼疾患、感染症や傷、眼の充血のある患者については、上級医師、眼科医の助言を求める。
眼のケアの実際
手順
1滅菌水に浸したガーゼで、目頭から目尻に向かってまぶたを拭き取る。これにより、感染や汚れが広がり涙腺に流れるのを防ぐ。
2生理食塩液を10mLずつ使用して、両眼を洗浄する。
3まつ毛に沿って両眼を拭き取る。このとき、汚れが眼の表面に入らないように注意する。
4眼の保水・潤滑作用をもつヒアルロン酸または抗菌薬入りのものを医師の指示で点眼する。
5乾燥を防ぐために、まぶたを角膜保護フィルム(メパッチTMなどの専用テープ)で閉じることを検討する(写真1)。とくに、腹臥位時、移送および処置時は角膜損傷の危険性が高い。
写真1角膜保護フィルム(メパッチTM クリア SG)

本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『ICU看護実践マニュアル』 監修/肥留川賢一 編著/剱持 雄二 サイオ出版


