患者の意識がありません。どうしたらよい?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は意識がない患者の対応に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
患者の意識がありません。どうしたらよい?
まずは人を呼び、呼吸、脈の確認をします。脈が触れなければ胸骨圧迫を始めましょう。
〈目次〉
急変時の対応に必要なものは
急変対応には人手が必要です。「○○さんの意識がありません。誰か来てください!」と人を呼びましょう。
そして、来てくれたスタッフに、「救急コールをお願いします。救急カート、モニター、除細動器(またはAED)を持ってきてください」とお願いしましょう。
必要な人員や物品がそろうまでの間にできること
自分はその場を離れてはいけません。すぐに患者が呼吸をしているか、脈があるかを確認します。脈は頸動脈を触れて確認します。脈が触れなければ心停止と判断し、すぐに胸骨圧迫を始めましょう(JRC蘇生ガイドライン2020)。
呼吸と脈の確認方法
5秒以上10秒以内で、呼吸と脈の確認を同時に行います(図1)。
呼吸の確認は、片手で頸動脈を触れつつ、胸が上がっているかどうか確認します。死戦期呼吸(しゃくりあげるような、途切れ途切れの呼吸)のような、普通と違う呼吸は「呼吸なし」と判断します。呼吸の補助が必要となります。
図1急変時の呼吸と脈の確認方法

頸動脈が触れる場所
頸動脈を触れる練習を必ず自分の身体や、友人同士で行ってください。おそらく皆さんが思ったところで脈は触れないのではないでしょうか。思ったより喉に近いところで触れることがわかると思います。
そして、「意識がありません!」から、呼吸、脈の確認までの流れを、人形などを使って実際に行ってみてください。呼吸、脈を確認する10秒間は意外と長いです。落ち着いて確認しましょう。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術 第2版』 (編著)江口正信/2024年5月刊行/ サイオ出版


