2018/09/20 のクイズ
- 1. 水分摂取を現状の1.5倍にして、尿量を増やすように促す。
- 2. 尿意を自覚してから排尿までの時間を10分から15分、20分と徐々に伸ばし、排尿間隔を延長していく膀胱訓練を指導する。
- 3. トイレが間に合わないことがないように、現在よりもこまめに排尿するように促す。
- 4. 水分摂取を現在よりも控えるように指導する。
挑戦者3746人 正解率78%
Aさんは、排尿日誌から、1回畜尿量が多い時で200mLと、やや少ない印象です(一般的な1回蓄尿量は200~400 mL)。さらに、日中は100mL前後で排尿してしまっているため、膀胱にしっかり蓄尿されていない状況であることが考えられます。そのため、1回尿量の増加や排尿間隔の時間延長を図る目的で、膀胱訓練を指導することが必要となります。つまり、選択肢2が正解となります。
膀胱訓練などの行動療法における看護師としての役割は、患者さんの理解を得られるようなオリエンテーションや、目標を持って取り組めるように目標設定の支援、心理面での支援を行うことなどが考えられます。また、通常、水分摂取量は体重(g)の2~2.5%程度(mL)、1日の尿量は体重(kg)×20~30mLが適切とされています。Aさんの体重は約53kgですので、適正水分摂取量は1,060~1,325mL、適正尿量は1,060~1,590mL程度となります。Aさんの水分摂取量は1,300mL、1日尿量は1,440mLであり、適切な範囲内であるため、水分摂取量を現状から改善する必要性は低いといえます。
なお、Aさんは、尿の回数が多いことや、トイレに間に合わなくて漏れるといった訴えがあるため、切迫性尿失禁が疑われます。また、過活動膀胱症状質問票で中等症と診断が出たため、過活動膀胱の状態であることも考えられます。 過活動膀胱は、脳血管障害後の神経因性で起こる場合があります。しかし、今回のように脳血管障害の既往歴が特にない女性でも、閉経による女性ホルモンの変化など、尿生殖器の萎縮性変化が原因で起こる場合があります。Aさんは膀胱炎はなく、残尿も許容範囲ですが、症状によってQOLが低下していることを考えると、治療として、抗コリン薬の処方などが適切です。
- 1. 水分摂取を現状の1.5倍にして、尿量を増やすように促す。
- 不正解
- 2. 尿意を自覚してから排尿までの時間を10分から15分、20分と徐々に伸ばし、排尿間隔を延長していく膀胱訓練を指導する。
- 正解
- 3. トイレが間に合わないことがないように、現在よりもこまめに排尿するように促す。
- 不正解
- 4. 水分摂取を現在よりも控えるように指導する。
- 不正解
引用参考文献など
1)佐藤和佳子.後藤百万ほか編.Ⅸ 膀胱訓練と排尿誘導.徹底ガイド排尿ケアQ&A.総合医学社,2006,136-139.
2)西村かおる.谷口珠実ほか編.5 下部尿路機能障害の治療とケア.下部尿路機能障害の治療とケア.メディカ出版,2017,170-177.
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