2017/08/06 のクイズ
大腸がんによる腹痛が出現し、疼痛コントロール目的で入院となったAさん。麻薬性鎮痛薬(オピオイド)の投与開始後、傾眠となりました。呼吸数は12回/分で規則的で、動脈血酸素飽和度の低下も今のところ見られません。また、眠気はありますが、呼び掛けにもすぐに応じ、苦痛もないと話しています。この時の対応で最も適切なのは以下のうちどれでしょうか?
- 1. 呼吸数が15回/分以下で呼吸抑制が考えられるため、すぐにオピオイドを減量する。
- 2. 傾眠だが呼びかけにすぐに応じられるため、転倒予防の対策は不要だと判断した。
- 3. 眠気はあるが、呼吸数は12回/分で、呼び掛けにも応じるため、様子を見た。
- 4. 眠気の副作用症状がみられており、投与したオピオイドがAさんの体質に合わない可能性があるため、すぐに他のオピオイドに変更した。
挑戦者4075人 正解率73%
- 1. 呼吸数が15回/分以下で呼吸抑制が考えられるため、すぐにオピオイドを減量する。
-
不正解
傾眠時の呼吸数が10回/分より少ない場合は、オピオイドによる呼吸抑制の可能性があるため、オピオイドの減量を考慮します。Aさんの呼吸数は12回/分であるため、減量の必要はありません。
- 2. 傾眠だが呼びかけにすぐに応じられるため、転倒予防の対策は不要だと判断した。
-
不正解
呼びかけにすぐに応じられる状態であっても、オピオイドの施用により傾眠となった場合は、意識レベルが低下しているため、転倒予防の対策は必要です。
- 3. 眠気はあるが、呼吸数は12回/分で、呼び掛けにも応じるため、様子を見た。
-
正解
オピオイドによる呼吸抑制は10回を基準として動脈血酸素飽和度の低下と患者の苦痛がなければ様子を見るため、適切です。
- 4. 眠気の副作用症状がみられており、投与したオピオイドがAさんの体質に合わない可能性があるため、すぐに他のオピオイドに変更した。
-
不正解
オピオイドによる傾眠は多くの患者で数日から1週間ほどで耐性ができて、軽減、消失します。患者に苦痛がなければ様子を見ます。
また、オピオイドを開始する前は、患者さんは痛みにより十分な睡眠がとれていない場合があります。オピオイドにより鎮痛が図れたことにより休息が得られた可能性もあるため、患者さんの生活に支障が見られず、眠気に苦痛や不快感を感じていなければ、そのまま様子をみます。
引用参考文献など
1)佐野元彦ほか.特定非営利活動法人日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会編.がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年版.金原出版,2014,60-1.
2)龍恵美.的場元弘ほか監修.Ⅲ疼痛治療の知識.がん疼痛緩和ケア.じほう,2014,246-50.
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