【第116回(2027年)受験生向け】第115回看護師国家試験の傾向と対策

『プチナース看護師国試過去問解説集2027』(照林社)より転載。
第116回看護師国家試験へ向けて、直近の第115回国試の出題傾向と、その対策をご紹介します。

 

 

第115回看護師国家試験のポイント

 

POINT
  • 必修:新しい問いかたの問題はなく、解きやすい問題が多かった。第114回は心電図とイラストの2問だったが、イラストやグラフなどを使った問題は4問と増加した。目標Ⅳの看護技術に関する問題が14問と多く出題された。
    看護師国家試験出題基準(8ページの「必修問題の目標Ⅳ」 )
  • 一般:比較的正答しやすい問題と、これまで問われたことのない内容についての、問題の難易度の差が大きかった。典型的な統計の問題が減少した。今まで問われたことがない解剖生理学や微生物学の問題が目立った。
  • 状況設定:めずらしい疾患や治療に関する事例はなく、おおむね解きやすい問題が多かった。看護師としての臨床的な判断は一般問題に少なく、状況設定問題を中心に問われた。

 

第115回看護師国家試験を受験した先輩の声

 

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『プチナース看護師国試過去問解説集2027』

 

必修問題の傾向

特徴と傾向

必修問題に関しては過去問の重要性は変わりません。同じような問題であれば全問正解するレベルまで学習を進めます。

過去問で使われたイラスト、図、グラフなどは関連知識も含めてしっかりと研究しておく必要があります。

●第115回も含め、毎年1~3問ほど新しい傾向の問題や予想外の問題が出ます。

●統計に関する問題は4問ありました。将来推計人口(2023年)、自殺者の原因・動機で多いもの(2022年)、有訴者で多い症状(2022年)、核家族世帯の割合(2022年)でしたので、第116回を受験する場合、人口関係は2024年、それ以外は2023年を「中心に」チェックしてください。

 

 

1.ベタな問題

 

第114回午前6

マズロー,A.H.の基本的欲求の階層で生理的欲求はどれか。

1.仲間を持ちたい。
2.空腹を満たしたい。
3.自分らしくありたい。
4.他者から称賛されたい。

解答:2

 

第115回午前6

マズロー,A.H.の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はどれか。

1.安全の欲求
2.承認の欲求
3.自己実現の欲求
4.所属と愛の欲求

解答:4

 

マズローの基本的欲求は非常に頻出の問題です。それぞれの階層の説明が問われたり、最も高次・低次のものを問うなど、さまざまな角度から出題されています。

 

 

2.難易度が高い問題

 

第115回午後12

脊髄神経で頸神経の対の数はどれか。

1.1対
2.5対
3.8対
4.12対

解答:3

 

頸椎は7個を覚えていても、頸髄は8対で頸神経の数も8対なのは盲点だったと思います。第1頸椎の上からも最初の頸神経が出ているため、頸椎より1つ多い数になります。

 

 

3.新しい内容が問われた問題

 

第115回午前22

酸素投与器具を図に示す。

最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。

1.鼻カニューレ、2.簡易酸素マスク、3.ベンチュリーマスク、4.リザーバー付きマスク

解答:4

 

名称だけ、イラストだけでも問題として成立しますが、両方提示されています。第105回 午前24でベンチュリーマスクの写真が出題されたことがあるので、ベンチュリ―マスクを選んでしまった受験生もいたと思います。

 

第115回午後11

摂食中枢が存在する部位はどれか。

1.延髄
2.小脳
3.下垂体
4.視床下部

解答:4

 

これまで必修問題では呼吸中枢や体温の恒常性を保つ中枢の部位を問う問題が出ています。摂食中枢については一般問題で「視床下部の機能で正しいのはどれか。2つ選べ」(第103回 午前83)として摂食行動の調節と飲水行動の調節を選ぶ問題がありました。

 

第115回午前4

土壌中に分布し感染を引き起こすのはどれか。

1.結核菌
2.コレラ菌
3.破傷風菌
4.カンピロバクター

解答:3

 

嫌気性で芽胞をつくる細菌である破傷風菌は土壌に広く分布しています。体内に侵入する経路は創傷です。破傷風菌は必修問題で初めて問われました。

 

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一般問題の傾向

特徴と傾向

●解きやすい問題と、いままで見たことがない問題がはっきりしていました。試験中に「全体的にこれまでの国家試験と違うぞ」と思った人が多かったのではないでしょうか。

●状況設定問題と同様に、災害に関する問題が多く出題されました(午前59、68、72)。

感染症・微生物学に関連する問題が複数出題されました(午前84、午後29、30、61、65)。

 

1.統計が問題のテーマではなく、選択肢の1つとして盛り込まれた問題

1つの統計がテーマとなっている問題

第111回午前42

平成 29 年(2017年)の患者調査において医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。

1.喘息
2.糖尿病
3.脳血管疾患
4.高血圧性疾患
(※問題文、解答は当時のもの)

解答:4

 

選択肢の1つとして問われた問題

第115回午後32

救急医療に関する記述で正しいのはどれか。

1.救急医療情報センターは国が整備する。
2.救急搬送の約8割が軽傷・中等症患者である。
3.都道府県の健康増進計画に救急医療の連携が記載されている。
4.一般住民による自動体外式除細動器〈AED〉の使用はプレホスピタルケア〈病院前救護〉に該当する。

解答:4

 

115回の問題については救急車の不適切利用がニュースになっており、軽傷(軽症)者が多いことはなんとなくわかりますが、割合まで問われました。しかし、年度は指定されていません。令和5年(2023年)の救急搬送のうち、軽症(約49%)・中等症(約43%)が9割以上を占め、約8割ではありませんでした。選択肢の1つとして統計を扱う問題は115回午前30「令和3年(2021年)の日本の医療保険制度で正しいのはどれか」でも「4.被用者保険加入者は人口の約6割である」があり、これが正答でした。

 

2.過去問だけでは獲得しにくい知識が狙われた問題

 

第115回午後30

成人の単純ヘルペスウイルスによる脳炎の好発部位はどれか。

1.小脳
2.後頭葉
3.側頭葉
4.頭頂葉

解答:3

 

成人の単純ヘルペスウイルス脳炎の好発部位は3の側頭葉と大脳辺縁系なのですが、難問でした。ほとんどの受験生は知らないと思いますので、わからなくても気落ちする必要はありません。

 

3.教科書に載っているのは知っていたが「まさかそこを突いてくるとは!」と思わされる問題

 

第115回午後77

精子形成の過程を図に示す。

始原生殖細胞→①→精粗細胞→②→一時精母細胞→③→二次精母細胞→④→精子細胞→⑤→精子

染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になるのはどれか。
1.①  2.②  3.③  4.④  5.⑤

解答:4

 

解剖生理学のテキストにも母性看護学のテキストにも載っていることが多い図ですが、問われるとは思っていなかった知識だと思います。

 

4.ベタな問題

 

第115回午前40

右腕に点滴静脈内注射をしている成人患者の寝衣(パジャマ)の交換について正しいのはどれか。

1.寝衣(パジャマ)は右袖から脱がせる。
2.右袖を脱ぐ際に、点滴ボトルはベッド上に置く。
3.清潔な寝衣(パジャマ)は左袖から着せる。
4.清潔な寝衣(パジャマ)の右袖には、先に点滴ボトルを通してから腕を通す。

解答:4

 

第115回午前57

介護保険制度の説明で正しいのはどれか。

1.措置制度である。
2.共助を実現する仕組みである。
3.介護保険料は65歳から徴収される。
4.地域密着型サービスの指定・監督は都道府県が行う。

解答:2

 

必修問題で出されてもよいようなベタな問題ももちろんありました。一般問題のなかでも難易度の差がかなりあります。

 

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状況設定問題の傾向

 

特徴と傾向

●第115回では状況設定問題の難易度は高くなかったように感じています。高得点での争いになり、ボーダーラインの上昇につながる可能性があります。判断に迷う問題は2、3問ありましたが、毎回のことであり、正答できる問題を確実に得点にすることが重要です。状況設定問題は1問2点なことも忘れないようにしましょう。

●第115回では、事例に対する3連問のうち最初の問題で看護師としてのアセスメントや判断、予測を問うパターンがほとんどでした。

●状況設定問題は老年看護学や小児看護学の問題であっても成人看護学の知識が必要であるように、分野をまたいだ知識が求められます。学習の基本は解剖生理学成人看護学であることを念頭に置きましょう。

 

1.解答に迷う問題

 

第115回午前91

Aさん(80歳、男性、要介護2)は1人で暮らしている。脳出血を発症し、急性期病院で地域連携クリニカルパスに沿って治療が行われた。(中略)Aさんは自宅退院を希望している。(中略)

回復期リハビリテーション病院の看護師がAさんに行う地域連携クリニカルパスの説明で適切なのはどれか。

1.「診療計画を介護支援専門員に提供します」
2.「治療内容は急性期病院から引き継いでいます」
3.「退院後の介護サービスは医療ソーシャルワーカーが決めます」
4.「リハビリテーションの内容をお住まいの市町村に報告します」

解答:2

 

3と4が適切でないことはわかると思いますが、1と2の判断に迷います。地域連携クリニカルパスでは、急性期病院・回復期病院・在宅(かかりつけ医等)が役割分担を決め、診療計画を作成します。連携するすべての医療機関で行う診療内容を患者に提示・説明し、連携する医療機関どうしで共有します。したがって、2のとおり、回復期リハビリテーション病院は治療内容について急性期病院から引き継ぎを受けています。

 

 

2.初めて問われた内容を含む問題

 

第115回午前108

Aちゃん(1歳9か月)は両親と保育所に通う姉のBちゃん(3歳)と4人で暮らしている。Aちゃんは重症の仮死で出生し、脳性麻痺と診断されている。(中略)

Aちゃんは2歳2か月になった。現在まで療育は受けていない。母親は訪問看護師に「Aの発達を促すような場所に通いたいのですが、誰に聞くと紹介してくれるでしょうか」と質問した。
訪問看護師がAちゃんの母親に紹介する者として最も適切なのはどれか。

1.民生委員
2.相談支援専門員
3.地域の保育所の保育士
4.訪問診療をしている医師

解答:2

 

介護支援専門員は知っているけれど相談支援専門員という職種が実際にあるのだろうか? と思った受験生もいたと思います。障害者福祉制度に関する問題は難しくなりがちです。相談支援専門員は、障害者・障害児が自立した日常生活や社会生活を送ることができるように生活全般にかかわる相談や情報の提供、障害福祉サービス利用のための計画の作成、関係機関との連絡・調整などの業務を行います。相談支援専門員がいるのは、市町村が設置する基幹相談支援センターのほか、相談支援事業所などです。なお、生活困窮者への相談支援を行う専門職は「相談支援員」なので、混同しないようにしましょう。

 

状況設定問題の学習アドバイス

●状況設定問題を解くときには、何を解決するために・何を根拠にその選択肢を選ぶのかを明らかにし(問題の隅にメモしておく)、答え合わせでは解説をよく読んで思考のしかたを学ぶようにすることが重要です。自分の思考が合っていなくても、考えることで力がつきます。

●状況設定問題は、老年看護学、地域・在宅看護論、基礎看護技術、看護の実践と統合など領域横断的な問題が出題されるため、出題基準を活用したり、過去問を研究することが重要です。

 

 


 

本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

 

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