おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~【5-3】

前回の話

看護学校教員も勤めたベテラン看護師・繁田先生。
母親の看取りと向き合ううちに、「冷静なプロ」から「ひとりの娘」の顔になっていきます。

 

前回の話。救命処置の拒否を断った繁田先生。プロではなく、娘として母親の生死に向き合い、感じたことは…

 

 

そのときのことを思い出し、「ただ、お母さんに生きててほしかったの…。」と先生は馬淵さんと花に告げるのでした。「退院したらまた訪問しますね。」と声をかける花に、先生は「ううん、多分退院はないと思う…。」と言いました。

「先生は自宅で看取るんだと思ってました。」と花は言いました。先生は、少し恥ずかしそうに、「もうこだわってない…お母さん意識ないし、家に戻る体力ないし、なんかただ生きててほしいっていうか…。ごめんね、先生らしくなくて…。」と謝りました。花は、『あのパワフルでタフな先生が逆に人間らしくていい。」と思うのでした。すると先生は、「内緒だけど、昨日はコッソリチョコを食べさせたの。」と小声で言いました。

 

 

「チョコって栄養あるし、お母さん好きだったのよ。」と笑う先生に、呆然とする花と馬淵さん。そんな2人を残し、先生は病室へ戻っていきました。先生はそれからつきっきりの看護をしました。でも意識は戻ることはなく、先生の母親は、2日後心停止したのでした。

 

 

枯れた木であった先生の母親は点滴で顔がむくんでいたけれど、「若い頃の母みたい、本当!」と妹さんと言い合ったそうです。花は「なんだかそれも先生らしい」と思いました。花の職場では、「ナースとはいえ一人の人間か…。今回プロの鎧を脱いで、まんまの人間に戻っていったのを見させてもらったわね。」と看護師たちが話をしていました。先生はその後、

 

 

教壇に戻り、この経験を生徒に話しているらしい。花は、お母様との思い出、看取る瞬間の話を聞き、生徒たちはそんな先生をとても尊敬したと思います。そして、先生の母親も同じように、そんな自分の娘を誇らしくおもって、とても頼りにしていた。』と思いました。『先生はずっと自分のした決断に自信がなかったみたいだけど、

 

 

『お母様は迷ったことなど、一度だってなかった。先生の側で、娘からの愛に満ちた人生を終えたのだ』と信じる花なのでした。

 

(おわり)

 

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【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

 

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