いじめ師長に同情…それでも告発すべき?|マンガ・ママナースもも子の今日もバタバタ日誌(24)

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師長の壮絶な過去を聞いてしまったもも子。師長のパワハラを告発するつもりだったけど、迷いが生じます。

身の上話を話し始めた師長。師長の言い分は要するに…「あたしは育児を犠牲にして仕事に打ち込んだ!なのにもも子は子育でのために休んだり時短したり、ワガママだ!」ということらしいが…反論したいけど、だいぶ弱っている師長に今言うべきか迷うもも子。そんなとき同僚からの「もも子~!何してるの?」ともも子を探す声を聞いて、仕事中であることを思い出し、急いで職場に戻りました。

「ごめんごめん。師長が体調を崩したから休んでもらってたの。」と持ち場を離れた理由を、同僚のナースの松本さんにいうと、松本さんも師長を心配しました。そんな時、後ろから尾田さんが現れて、「外来混んでいるときに何なの?それに2人きりでこもって…何か師長に取り入ろうとしているみたい。」ともも子に言い寄ってきて、全くそんな気のないもも子は、あきれて何も言えません。相変わらずな尾田さんはほっておりて、仕事終わり、松本さんに仕事を途中で抜けてしまったことを謝りに行きました。

『本当は喋らない方がいいのはわかってるけど…師長の告発まで話がいってるなら相談してもいいよね…。』と迷いながらも、松本さんへ師長が語った話を伝えました。「…というわけで、師長にも言い分があってちょっと気の毒な話だと思うと、いじめも我慢した方がいいのかなって。」と話し終えると、松本さんは少し考えながら「…もも子は師長のこと可哀想だなって思うってこと?」と聞きました。

そうだと答えるもも子に、「全然。悪いけど私は全く同情できないわ。」と松本さんは言い切りました。「だって全部自分の決めたことだもの。産むことも子どもより仕事を選んだことも…。」という松本さんに、「でもでも、仕方なしに周りのせいでこうなったってこともあるんじゃない?」とついつい師長をかばってしまう私に、「そういう部分もあるけど、それ言ったらキリがないもの。所詮は自分の人生よ!自己責任ね。」と意見しました。

『自己責任』という松本さんの言葉に納得したもも子は、何も言えず松本さんを見つめました。松本さんは続けます。「それにもっと言わせてもらえば、だからって人をいじめていいのかって話よ。世の中にはもっと辛い目にあっているのに、意地悪しない人も沢山いるわよ…。ナースとして患者さんを見ていて思わない?」という問いに、もも子は、『そうだ…その通りだ』と今まで出会った患者さんを思い出しました。

「私ったら…同情しちゃって、冷静じゃなかったかも。」と愕然とするもも子に、松本さんは、「そうよしっかりしなさい!」と喝をいれました。「そもそも浜田師長はママナースだけじゃなくて、他にも気に入らないナースをいじめて問題になってるのに、そんな師長に同情してどうする!」「…というか悪いやつってすぐに被害者ぶって反省しないからね。だから性格悪いのよ。そういう奴らは。」ときっぱり言いました

松本さんのはっきりした言葉に「わぁ…友人の言うことの方が、人として立派だ…。」と感動しながら、「実は…師長を告発しようという動きがあって…。」と告発の話を伝えると、松本さんも大賛成してくれました。


【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

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