看護師さんに向けて、円満退職のためのノウハウをまるっとご紹介します。
退職の流れ|いつ何をすればいいの?
退職までの流れ、6つのステップ
まずは退職の流れを確認しましょう。退職は大きく6つのステップにわかれます。
「いつまでに退職を申し出る必要があるのか」というルールは施設によって違うので、あらかじめ就業規則をよく確認しましょう。
一般的には「退職日の1カ月前」が多いですが、「3カ月前」と決められている場合も。
退職をいつ切り出せばスムーズか、退職日までの流れと上手な辞め方のコツを押さえておきましょう。
退職にはさまざまな事務手続きも必要
退職・転職にはさまざまな事務手続きが必要です。
退職後、転職先ですぐに働き始める場合と、一度離職する場合で、やるべきことは異なります。
1退職日の翌日に転職する場合の手続き
転職先が決まっていて、退職日の翌日に入植する(離職期間がない)場合、基本的には転職先の担当者が諸々の手続きをしてくれます。
手続きがスムーズに進むよう、提出書類は期限を守りましょう。
転職先に提出する主な書類
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- 看護師免許
- 健康診断書
- 給与振込先届出書
- 扶養控除等申告書
- 健康保険被扶養者異動届
2一度離職する場合の手続き
転職先が決まっていても、退職日から入職日まで間がある場合や、すぐに働かず一度離職する場合、主に下記のような手続きが必要になります。
- 失業保険の申請(転職先が決まっていない場合)
- 健康保険の切り替え
- 年金の切り替え
- 住民税の支払い
- 確定申告
退職理由はどう伝える?
退職する上で避けては通れないのが退職理由。
その例文や伝え方のコツについて解説します。
退職理由の伝え方ポイント3つ
退職理由は人によってさまざまですが、できる限り前向きな理由を伝えましょう。
今の職場への不満が理由だったとしても、「もっとこんな看護がしたい」といったポジティブな思いを話すのが円満退職のポイント。ネガティブな不満をストレートに並べるのはNGです。
また、安易に嘘をつくことも、バレたときに退職交渉が難航することもあるので、おすすめできません。
退職理由の伝え方、例文3つ
よくある3つの退職理由について、伝え方の例文を紹介します。
これまで慢性期の患者さんを多く見てきた中で、患者さんが最期まで自分らしくあれる環境づくりの大切さを感じてきました。
これまで以上に患者さんの一人ひとりの生活を第一に考えられる訪問看護に挑戦したいと考え、退職を決めました。
日頃より時短勤務や夜勤免除などのご配慮をいただき、誠にありがとうございます。
自分なりに仕事と子育てを両立しようと努力を続けてきましたが、どうしても体力が続かず、これ以上皆さまにご迷惑をかけるわけにもいきませんし、子どもがもう少し大きくなるまでは育児に専念したく、退職を考えております。
病棟の人間関係が複雑で、仕事をしていく上で困難を感じていました。
私なりに努力を重ねる中で看護への思いを見つめ直した結果、以前から関心のあった◯◯領域に挑戦したいという思いが強くなったため、退職させていただきたいと思います。
面接で退職理由を聞かれたら?
面接でも「今の職場を退職しようと思ったのはなぜですか?」と質問されることがあります。
退職理由は言い換えれば、転職したいと思った理由。つまり志望動機と表裏一体です。辞めたい不満を正直に伝えるのではなく、志望動機につなげて前向きな理由を話しましょう。
退職届/退職願の書き方
退職が正式に決まると、退職届を提出する必要があります。
一方、退職願は退職交渉が難航したときに意思表示として提出するもので、出さないことも多いでしょう。
退職届を書くときのポイントは以下の4つです。
Point!
- 便箋は白無地、封筒は白の長形4号
- 手書きで書く
- 退職理由は「一身上の都合」にする
- 宛名は院長、提出は師長にする
退職届は職場でフォーマットが指定されている場合も多いので、上司に確認しましょう。
退職するときの挨拶
退職日当日あるいは退職日が近くなると、職場で退職の挨拶をする機会があります。
退職の挨拶の例文
お疲れ様です、看護るうです。
この度、一身上の都合で3月末をもちまして退職することになりました。
初めて担当する診療科で、わからないことも多くあった中、皆さまが親切にサポートしてくださったからこそ、ここまで続けてこれました。
本当に感謝しております、ありがとうございました。
春からは別の病院で働くことになりますが、ここで学んだ知識や経験を活かし、今よりもっと仕事のできる看護師になれるよう、精一杯頑張っていきます。
ありがとうございました。
退職の挨拶のポイントは下記の通りです。
全体への退職の挨拶は、短くまとめるのがベター。
具体的な退職理由や今後について詳しく話す必要はありません。
感謝と前向きな気持ちだけを伝えられたら、あとは個別の挨拶でゆっくり話すのが良いでしょう。
退職でよくあるトラブル
職場によっては、退職に際してトラブルが発生することもあります。
その対処法についてあらかじめ知っておくと安心です。ここでは3つのトラブル事例を紹介します。
1なかなか辞めさせてもらえない!
なかなか退職の話が進まない場合、下記のような対応を上から順番に検討しましょう。
- 繰り返し上司に確認する
- 「直接看護部長に伝えます」と言う
- 「労働基準監督署に相談します」と言う
- 退職届を退職日の2週間前に提出する
まずは繰り返し確認することでプレッシャーをかけつつ、さらに上の上司の名前を出したり、労基署を引き合いに出したりすることで、退職の話が前に進むことがあります。
それでも難しそうなら、退職届を内容証明郵便で提出する最終手段もありますが、できれば避けたいものです。
2退職日を勝手に指定された!
退職日を勝手に指定された場合でも、毅然とした態度で退職希望日を再度伝えましょう。
退職日を病院が一方的に決めることはできません。
3奨学金の一括返済を求められた!
奨学金の一括返済を求められた場合、その必要があるかどうかは奨学金についての契約内容によります。まずは契約書を確認しましょう。
ここでは返済額の一例を紹介します。
仮に奨学金を返済することになっても、上乗せで違約金の支払いを命じることは法的に禁止されているので、指示されるまま払ってしまわないように注意しましょう。
この他にもさまざまな退職トラブルが考えられますので、一通りおさえておきましょう。