最終更新日 2019/03/18

ストレスコーピング

ストレスコーピングとは・・・

ストレスコーピング(すとれすこーぴんぐ)とは、ストレスに対処するために行われる、ストレス対処行動のことである。Lazarus,R.S(ラザルス)が、ある問題をストレスと感じていても、その問題をどのように個々人が認知、評価するかで、それぞれに見られるストレス反応が異なることに着目し、提唱した。

ストレスコーピングの方法は、大きく分けると、問題焦点型コーピングと、情動焦点型コーピングに分けられる。

【問題焦点型コーピング】
ストレッサー(ストレスの原因)そのものに働きかけて、解決する方法。

自分の努力や周囲の協力を得て解決、対処する。自分の能力を超える場合に代役を立てるような回避行動も含まれる。ストレッサーへ直接対処可能な場合には良い方法だが、結果として自分の思惑通りにいかない場合にはストレスを悪化させうる。

例:対人関係がストレッサーである場合、相手の人に直接働きかけて問題を解決する。

【情動焦点型コーピング】
ストレッサーそのものではなく、ストレッサーに対する考え方や捉え方を変えようとする方法。

恋人と別れた場合などに、自分の悲しみや怒りを誰かに話すことで気持ちを整理したり、「仕方ない」と自分の心の中に抑圧する場合などがこれに当たる。解決や対応の方法がなく、直接の対処が不可能な場合に適当である。

例:対人関係がストレッサーである場合、それに対する自分の考え方や感じ方を変える。

 

引用参考文献
1)坪井康次. ストレスコーピング―自分でできるストレスマネジメント―. 心身健康科学. 2010;6(2): 59-64.
2)杉谷彰子ら. 関係焦点型対処を含めたコーピング尺度作成の試み―共感的対処と精神的健康度との関連―. 心理学研究. 2011;2: 21-32.
3)一般社団法人EAPコンサルティング普及協会 著. 安全衛生教科書 メンタルヘルス・マネジメント(R)検定II種・III種 テキスト&問題集 第2版. 翔泳社. 2017(第2版): p272.
4)斎藤瑞希ら. ストレスとストレスコーピングの実行性と志向性(Ⅰ)―ストレスコーピングの理論―. 岩手大学教育学部付属実践総合センター研究紀要. 2007;6: 231-243.

執筆: 小森大輝

順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学大学院生

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