最終更新日 2019/06/06

骨髄破壊的移植

骨髄破壊的移植とは・・・

骨髄破壊的移植(こつずいはかいてきいしょく)とは、骨髄破壊的前処置(myeloablative conditioning;MAC)を用いた造血幹細胞移植のことである。フル移植ともいう。

移植前処置に用いる抗がん剤投与量や放射線照射量に応じて、骨髄破壊的前処置(MAC)と強度減弱前処置(RIC)に分けられ、MACを用いた移植を骨髄破壊的移植(フル移植)、RICを用いた移植を骨髄非破壊的移植(ミニ移植)という。

MACとRICを分類する定義はさまざまなものが提唱されているが、TBI 8Gy(グレイ)以下、ブスルファン 9mg/kg未満、メルファラン 140mg/m2以下を満たす場合をRICとするCenter for International Blood and Marrow Transplant Research(CIBMTR)の定義が最もよく用いられている。

【方法】
MACの代表として、エンドキサン大量療法+全身放射線照射(12Gy(グレイ))やブスルファン+エンドキサン大量療法などがある。フルダラビン+ブスルファン4日間療法はMACに含まれるが、毒性が少ないため、50~60歳代の比較的高齢の患者で使用される場合が多い。

【適応】
一般に、骨髄破壊的移植は大量抗がん剤投与に忍容性のある50歳以下の若年者に適応となる場合が多いが、原疾患や移植前病期、前治療暦、患者の全身状態などを考慮し個々の症例ごとに検討される。

 

引用参考文献
1)Bacigalupo A.et al.Defining the intensity of conditioning regimens:working definitions.Biol Blood Marrow Transplant.15(12),2009,1628-1633.(PMID:19896087)
2)Giralt S.et al.Reduced-intensity conditioning regimen workshop: defining the dose spectrum. Report of a workshop convened by the center for international blood and marrow transplant research.Biol Blood Marrow Transplant.15(3),2009,367-369.(PMID:19203728)

執筆: 藤本亜弓

島根大学医学部附属病院  腫瘍・血液内科医科医員

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